北朝鮮に原子力潜水艦・ICBM・戦闘機を提供、ロシアは絶対に「レッドライン」を越えるな【10月30日付社説】
韓国国防情報本部は30日、国会に「北朝鮮とロシアとの関係が血盟へと根本的に変化する過程で相互に軍事支援が行われている」「とりわけ北朝鮮はロシアの宇宙技術や先端軍事技術はもちろん、在来兵器の技術力向上も進めると判断している」と報告した。北朝鮮軍の一部がすでにウクライナの戦場に到着したとの外信報道が相次ぐ中、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は同日モスクワに到着した。ウクライナ派兵の見返りについてロシア側と交渉を行う可能性が高そうだ。これについて元CIA(中央情報局)職員で米大統領補佐官を務めたデニス・ワイルダー氏は「派兵の見返りとしては原子力潜水艦や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の大気圏再突入技術などが考えられる」とした上で「北朝鮮の原子力潜水艦が西太平洋を航行した場合、どこの国にとっても頭が痛い問題になる」と指摘したが、韓国にとっては頭が痛いどころか安全保障上の深刻な脅威だ。 【写真】北朝鮮当局 ロシアに派兵された軍人の家族に「訓練に行った」とうその説明
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨年9月、海からの核ミサイル攻撃が可能な戦術核攻撃潜水艦の進水式で「海軍の核武装化は切迫した課業だ」と発言した。現在北朝鮮は水中発射核ミサイルを保有しているが、原子力潜水艦建造技術はない。もしロシアが原子力潜水艦技術を北朝鮮に提供した場合、無制限の航行が可能な潜水艦に核ミサイルを搭載し海中に姿を隠すことができる。韓国にとってはまさに災害レベルの脅威だ。 金正恩総書記が原子力潜水艦まで保有し、米国が北朝鮮の核ミサイルを100%防げないとなれば、北朝鮮に対する米国の態度も変わってくる可能性が高い。北朝鮮の核保有を認め、制裁を解除することも考えられる。これも韓国にとっては大きな災害だ。 国防情報本部は「11月に北朝鮮がICBMを発射する可能性がある」と報告した。北朝鮮はICBMを通常の角度と距離で発射したことがないため、大気圏再突入技術は現時点で確保していないだろう。しかしロシアが金正恩総書記にICBM再突入技術を提供すれば、それで北朝鮮の核ミサイルは完成する。北朝鮮が望む米国との「核軍縮交渉」が可能になる条件が全て整うことになる。 金正恩総書記が朝鮮人民軍兵士1万人を無償で死地に送り出すことなどあり得ない。今焦っているのは60万人以上の死傷者を出したロシアのプーチン大統領であるため、金正恩総書記からのいかなる要求も受け入れるのは間違いない。もしプーチン大統領が原子力潜水艦、ICBM再突入技術、最新型戦闘機などの先端兵器を提供した場合、これは韓国国民に対して直接刃を向ける敵対行為になるため、そうなれば韓国も緊急の対応を取らざるを得ない。ロシアは絶対に「レッドライン」を越えてはならない。