50代から始める投資4つのポイント「預金は油断して使ってしまう」新NISAと個人向け国債 FPが解説
2.老後に必要なお金「自分編」を作ろう
老後にいくら必要なのか、図解で説明します。 まずは長方形を書きます。必要なのは生活費と老後に受け取れる年金。そしていつまで働くかを決めて書き込みます。縦軸は1カ月に必要な生活費、横軸は60歳から100歳までの年齢です。 例えば、1人で生きていく場合、75歳まで働くとして、毎月の生活費に必要な15万円は自身の労働で賄います。75歳以降は年金+αの収入、合わせて15万円が生活費。仮に年金が10万円だとしたら、月々5万円足りません。12カ月で60万、100歳まで生きようと思うと残りは25年なので、1500万円足りない計算になります。 これが夫妻の場合や自営業の場合になるとそれぞれ条件が違ってくるので、自分に合わせた図を描いて老後のお金を知ることが大切です。
リスクを抑えた資産形成 新NISAと個人向け国債の活用術
3.新NISAのつみたて投資枠を活用 資産形成の準備ができたらいよいよ投資へ。最近話題の新NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる節税制度。例えば、投資で得た利益が10万円ある場合、通常は税率20.315%が課税されるため、手元に残るのは7万9685円。しかし新NISAを利用すれば、運用益10万円をまるまる受け取れます。 さらに、生涯1800万円の投資額までの利益が非課税。ただ一度に1800万円投資できるわけではなく、年間の限度額が決まっています。枠には2つの枠があり、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円あります。中でも、投資初心者におすすめなのがつみたて投資枠。投資はお金がないとできないイメージを持っている人も多いですが、つみたて投資枠であれば少額からでも投資できます。 金融機関によって最低積立投資額は異なりますが、主要なネット証券では100円から積立投資可能です。
月々積み立てるお金はどのように用意すれば良いの?
「資産形成は土台が大事」と話す山口さん。月々積み立てるための3つのポイントを聞きました。 1.流動性のある普通預金に預ける 2.5年以内に使うお金+αを定期預金や元本割れしない個人向け国債に投資する 3.資産を増やすステップとして積極的にNISA口座で運用する 資産形成には他にも年金制度の「iDeCo」がありますが、「続けているだけでもリスクもある 」といいます。 「iDeCoは60歳に向かって掛金を積み立て資産形成する年金制度です。ただ60歳までは何があってもお金を引き出せません。お金に余裕があるという方には良いかもしれませんが、 途中でお金を引き出せないことに不安を感じる方にはおすすめしません」