「あいつらは寄生虫だ」…!習近平の「いけにえ」にされた若者が「特権エリート」へ投げかける「ヤバすぎる言葉」
なぜダメなのかが分からない習近平
中国経済が低迷は、消費刺激策に後ろ向きの習近平国家主席に原因があるという認識が中国共産党内にも高まっているようだ。中国共産党内では「政策の潜在的な弱点を検証する『レッドチーム』が必要だ」との指摘が出ているが、習氏にそうした意志はないだろう。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 前編『「上海ガニ下落」と「上海バブル崩壊」で中国経済の苦境があらわに…!いま指摘されている「習近平に権限集中」の巨大リスク』で紹介したように、中国経済は投資主導から消費主導への構造転換が待ったなしの状況となっている。 中国経済を苦しめている不動産バブルや過剰債務、過剰生産能力の問題は2008年のリーマンショック後の大型景気刺激策の「つけ」であることから、従来型の景気刺激策ではプラスよりもマイナスの効果が大きいだろう。 30年前の日本と同様インフラの過剰が深刻化しており、膨れ上がった地方政府の債務削減の方が、優先順位が高くなっている。つまり、投資主導から消費主導への構造転換が待ったなしだが、その要諦を無視しつづける指導者の下ではその達成は困難だろう。 「沈みゆく中国」の様相を呈し始めているなか、最も割を食っているのは若者だ。
「いけにえ」となった若者たち
朝鮮日報の北京特派員は10月13日、「中国経済のいけにえとなった若者たち」と題するコラムを配信し、絶望に陥った若者の惨状を伝えている。中国の若者の間で広がる「寝そべり」化は日本でも有名になった。田舎から都市への若者の流れも反転しつつある。 現下の情勢に関し、中国の政財界は「中国の持続的発展のためには特定の世代の犠牲は避けられない」とのスタンスだ。若者を巡る環境はさらに悪化すると言わざるを得ない。 中国の若者はこれまでのところ「静かに黙っている」感が強いが、彼らの忍耐力が今後も続く保証はない。気がかりなのは、中国国内で親から既得権益を受け継ぐ富裕層への反感が高まっていることだ。
「あいつらは寄生虫だ」…特権層への怨嗟の声
中国のSNS上で「タバコ企業の3代」という言葉が広く使われるようになっている。この言葉は「国有タバコ企業の管理職を代々受け継ぐ特権エリート層」を意味する。 中国人は長年「努力と能力があれば成功できる」と信じ、あからさまな不平等を容認していたが、今や「あいつら(特権エリート層)は寄生虫だ」「もう一度革命を起こさない限り、この奇妙な不条理を解決するのは不可能だ」との声がネット上であふれている(10月10日付クーリエ・ジャポン)。 これらの批判は、労働者階級の利益を代表することを「一党支配」の正統性としてきた中国共産党にとって不都合極まりないものだ。 習氏は2017年以来、「共同富裕(貧富の差を縮小して社会を豊かにすること)」を掲げているが、国民の間で蔓延する不条理感は高まるばかりだ。
「時限爆弾」と化す若者たち
中国政府は強権的な支配で国民の不満を封じ込めているが、2000年以上前に老子が語ったとされる「民衆が死を恐れなくなるほど追い詰めたら、どのような刑罰でも彼らを抑えることはできなくなる」との警句が脳裏をよぎる。 ましてや格差は人心を荒廃させる。 専門家は「若者が『政権を覆す可能性のある時限爆弾』になっている」と警戒感を露わにしている。 経済の低迷が続く中国の地政学リスクが悪化しないことを祈るばかりだ。 さらにつづく記事『習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」』でも、中国の消費低迷の実像を紹介しているので、ぜひ参考としてほしい。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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