ケロポンズ、園児に人気「エビカニクス」はNY録音 本気の遊びが子どもに大ウケ
いまや幼稚園・保育園児のあいだで、大人気の定番体操曲「エビカニクス」。水着にもなる水陸両用のポップなデザインのコスチュームを着て、手にはエビとカニの爪を装着した音楽ユニット、ケロポンズ(増田裕子<ケロ>、平田明子<ポン>)が歌っている。「エビ、カニ」と子どもたちが楽しそうに歌って踊る姿はなんとも愛らしいが、子ども向けだと侮ってはいけない。よく聴くとコーラスがどこかソウルフル。じつはこの曲はニューヨークでレコーディングされたのだという。ケロポンズのコンセプトは、「自分たちが本気で面白いと思えることをやる」、「やったことないから、やってみる」だ。おばちゃんだけど、子どもみたいなケロポンズとは、どんなユニットなのだろうか?
米同時多発テロの翌月にNYでレコーディング ゴスペルシンガーがノリノリでコーラス
ケロは以前、「トラや帽子店」というバンドを組んでいて、音楽活動とともに保育士や幼稚園教諭向けのパネルシアターの講習会活動をしていた。ポンは幼稚園の先生だった頃、たまたま子供向け講習会に参加したとき、「トラや帽子店」のパフォーマンスを観て大ファンになったという。その後、二人はさまざまなイベントで交流を重ね、バンドが解散するときに「一緒にやろうよ」とケロがポンに声を掛けて、ケロポンズが結成された。 「エビ! カニ! エビ! カニ!」の掛け声がどこかソウルフルな「エビカニクス」だが、どのようなきっかけで生まれたのだろうか? ケロ:保育雑誌の企画で、毎月の遊びネタを考えていました。編集者の方と食事をしながら体を前に倒して「エビ!」、両手を顔の横に出して足を広げて「カニ!」ってこんな動き面白いね、「エビカニエビカニフォー!」と盛り上がり、そのときに大体振り付けが出来上がっていました。エビカニって言葉、エアロビみたいだねとタイトルもすぐに「エビカニクス」に決まり、楽しいねってノリで生まれた曲です。エビとカニが目の前にあったわけではないんですけどね。いざ、曲ができて、じゃあCDにしようとなったとき、せっかくだからニューヨークに行ってレコーディングしようとなったんです。 ポン:NY在住のケロちゃんの国立音楽大学の先輩・徳家敦さんから「NYには素晴らしいミュージシャンがいっぱいいるからいい録音ができるよ!」という話を聞いて、「じゃあ、行こう」と即決。そうしたら渡米の1カ月半ほど前に9.11の米国同時多発テロが起きてしまって。ちょうど2001年。テレビでそのことを知ったときは頭が真っ白になりました。危ないし、リスクを負ってまで、行くことはないよね。やめようか……という雰囲気になりました。 ケロ:ところが、NYに電話して延期するかやめるかと相談したら、「いまこそ、音楽をやらないでどうするんだ! 僕たちはここで暮らしているんだよ。皆待っているんだよ!」みたいに言ってもらえたんです。 ポン:「いまこそ、音楽でしょ」っていう徳家さんの言葉に心が動かされて予定通り、渡米しました。