<一球入魂・’22センバツ木更津総合>第4部 戦力分析/下 堅実・積極的 強力打線 /千葉
◇中軸担う選手も充実 2021年の秋季県大会予選から関東大会までの11試合で、木更津総合のチーム打率は3割5分3厘を誇った。総得点は108で、118安打のうち二塁打は23▽三塁打は13▽本塁打は6だった。五島卓道監督は「1球目から思い切り振っていくことは勇気がいることだが、全員が自信を持って相手にプレッシャーを与えられるような集団を目指している」と話しており、攻撃的な打線は1試合当たり平均2・27だった三振の数にも表れている。 堅実かつ積極的な打線が光った試合として、五島監督は東海大市原望洋との県大会3回戦を挙げた。初回、4番の水野岳斗(1年)が右中間を割る適時打を放って先制。二回は2死一塁の場面で山田隼(2年)の2点本塁打で点差を広げた。この試合、打撃好調な芦川正真(1年)の活躍もあり、10―0でコールド勝ちを収めた。積極的にバットを振ってファウルボールで粘り、球数が増えた投手を打ち崩す展開に、五島監督は「好投手相手でも振りながらタイミングを合わせることができた。全員が同じようなバッティングをしていた」と振り返る。 山田は秋の県大会最多の5本塁打を放った。春、夏、秋の県大会を通じて初となる4試合連続本塁打を記録した。昨夏もスタメン入りしていた菊地弘樹(2年)は広角に長打を運び、チャンスで走者を還して貢献。打線の中軸を担う選手の層は厚い。 また、秋の公式戦では、空康輔(同)が5盗塁を決めるなど、チーム全体では20盗塁を記録。犠打と絡める正攻法で得点を積み重ねてきた。 五島監督が「自分の長所を理解し、チーム内での役割を果たそうとしている」と評価する部員たちは、ベンチ入りを目指して厳しい競争を繰り広げている。一人一人の個性がかみ合い、高い攻撃力を誇る木更津総合ナインは、強豪ぞろいの甲子園で上位進出を目指す。【長沼辰哉】