当選した自民党議員には女性天皇容認も少なくない 成城大教授・森暢平
◇社会学的皇室ウォッチング!/135 皇室これでいいのか「旧宮家養子案」―第37弾― 自民党は、反女性天皇、反女系天皇の政党であるように考えられている。だが、今回衆院選における候補者アンケートの結果を分析すると、当選した議員には少なくとも女性天皇を容認する議員も少なくないことが分かる。(一部敬称略) 結果がインターネット上で公開されているNHKの候補者アンケートを用いて分析した。自民党当選者191人に、当選後、無所属の会として同党と会派を組んだ6人を加えた197人の回答を対象とした(うち、首相の石破茂ら3人はNHKに対し回答しなかった)。 「女性天皇の子どもが皇位を継承すること、つまり『女系』の天皇を認めることに賛成ですか。反対ですか」という質問に、反対と答えたのは148人(75%)、設問に回答しなかったのは41人(21%)、賛成は5人(3%)だった。 結果を見ると、自民党・無所属の会の議員主流が、「女系」拒否であることは疑いようがない。ただ、「女系」に反対の148人の内訳を見ると、女性天皇にも反対は55人に留(とど)まる。148人のうち女性天皇には賛成が43人であり、回答なしは50人だった。すなわち、「女系」には反対だが、女性天皇は認めてもよいという議員は、自民党内のそれなりの勢力である。 女性天皇に賛成、「女系」に反対の43人の名を記すと、津島淳(青森1区)▽田所嘉徳(茨城1区)▽国光文乃(同6区)▽船田元(栃木1区)▽笹川博義(群馬3区)▽福田達夫(同4区)▽小渕優子(同5区)▽小泉龍司(埼玉11区)▽田中良生(同15区)▽英利アルフィヤ(千葉5区)▽松本尚(同13区)▽中西健治(神奈川3区)▽三谷英弘(同8区)▽田中和徳(同10区)▽河野太郎(同15区)▽草間剛(同19区)▽中谷真一(山梨1区)▽石原宏高(東京3区)▽土田慎(同13区)▽大西洋平(同16区)▽安藤高夫(同28区)▽長島昭久(東京30区)▽斎藤洋明(新潟3区)▽井出庸生(長野3区)▽後藤茂之(同4区)▽野田聖子(岐阜1区)▽井林辰憲(静岡2区)▽大岡敏孝(滋賀1区)▽武村展英(同3区)▽関芳弘(兵庫3区)▽渡海紀三朗(同10区)▽小寺裕雄(近畿)▽逢沢一郎(岡山1区)▽寺田稔(広島4区)▽小林史明(同6区)▽高村正大(山口1区)▽石橋林太郎(中国)▽仁木博文(徳島1区)▽栗原渉(福岡5区)▽江藤拓(宮崎2区)▽古川禎久(同3区)▽宮路拓馬(鹿児島1区)▽宮崎政久(沖縄2区)〔比例復活の場合でも出馬した選挙区名を挙げた。以下同じ〕――である。