話が合わない上司の理不尽な言動…心が折れる前にすべき五つの対処法
信頼できない上司に相談しづらい
組織の中で働いていると、どう頑張っても分かり合えない上司に出会うことはありませんか? あまりにも理不尽なことや、どう考えてもおかしいと納得いかないこともあるでしょう。どんなに説明を尽くしても耳を傾けてくれなかったり、肩書きが上だというだけで高圧的な態度を取ったり……。 そのたびに、「自分の努力不足かもしれない」「自分の器の小ささを反省しよう」「自分が成長してもっと相手の立場も考えるようにしよう」「相手を変えることは難しいのだから、自分が相手を分かろうとしないといけない」といったふうに、自分を責める気持ちになることがあるでしょう。 しっかりと対話をしようと心がけても、話しが通じない相手とのコミュニケーションはとても労力がかかるので、どっと疲れてしまうことも。 そうこうしているうちに、どんどん精神的に追い詰められて、気づいた時には限界を超え、張り詰めていた気持ちがポキッと折れることがあるかもしれません。 経済産業省に勤務していた官僚時代、私は今でも心から尊敬する男性上司のNさんに出会いました。Nさんについては、以前の記事(女性のキャリア阻む「ガラスの天井」を破る男性の言動とは?)でも書きましたが、今回はNさんから教わった「イマイチな上司にどう対処するか」の“虎の巻”をご紹介したいと思います。 国家公務員を退職後、とある企業で働いていたときに、私は今でも忘れられない理不尽な体験をしました。人事担当の管理職から「まだ子どもはつくらないよね?」と聞かれたり、先輩や上司から「若いんだから意見はせずに、まずは下積みが大事」などと脈絡もなく何度も言われたりしました。「女性」や「年齢」を軸とした「はて?」と思う言動を様々経験しました。 要するに、組織の中でうまく立ち振る舞うには、「空気を読んで」「好ましいとされる暗黙のルールから外れないよう」行動することが求められたのです。でも、そうやって行動していると、自分の考えや意思がどんどん消えていく……、そんな感覚に恐怖も感じました。 起業してからは、女性の健康課題やアンコンシャスバイアスに関する研修などに呼ばれ、東京の大企業から地方の中堅・中小企業や自治体まで、幅広い業界・業種で働く人たちと話す機会があります。 そうすると、話題は女性特有の健康課題にとどまらず、「そもそも部長の考え方が……」「信頼できない上司で何も相談できなくて……」といった組織内のコミュニケーションの課題になることが少なくありません。かつて、私がそうだったように「はて?」という違和感を抱え、理不尽な思いをしている人がなんて多いことか! 心を無にしてやり過ごす人もいれば、グッと歯を食いしばって耐えている人、こらえられずに闘っている人もいます。 たとえ理不尽な言動だとしても、必ずしも悪気があるとは言えないケースもあるので、一概に否定はできません。とはいえ、「心を守りながら」ソリが合わない上司とどう淡々と付き合っていくことができるか――。Nさんから教えてもらった「イマイチな上司に対処するための5か条」を紹介します。