詐欺師が使う6つの心理作戦。つい引っかかってしまう理由とは?
4. 相互利益
文明が機能するのは、相互利益があるからです。誰かが何かしてくれると、私たちは、「自分も好意を示さなければ」という「社会的恩義」を感じます。 そして、注意すべきは、「そもそも望んでいなかったこと」をしてもらったとしても、恩義を感じてしまうという点です。 詐欺師は、あなたを褒めたり、あなたに関心を示したりして、社会的恩義を感じさせます。 たとえば、「今日の調子はいかがですか」と尋ねられると、あなたは、自分も同様の質問を返さなければというプレッシャーを感じるかもしれません(訳注:「How are you?」と挨拶されると、つい答えて、「and you?」と言いたくなる)。 これが、会話を続けるきっかけになります。 こうした作戦が、あなたを心理的に疲れさせるために使われる場合もあります。詐欺師と長い時間話をしたあとは、疲れ切ってしまい、操られやすくなるのです。 注意すること 初めて会った人に、特別な理由もなく褒められたり、何かしてもらったりしたら、すぐに見返りを要求されるという危険信号です。詐欺師は、あなたに社会的恩義を感じさせたいのです。
5. ラブ・ボミング
ロマンス詐欺は、長期にわたる詐欺行為です。詐欺師は、あなたに恋愛感情を持つ魅力的な人物を装い、遠くにいて会うことができないから悲しい、というフリをします。 2人が恋愛関係にあると思い込ませ、その後、車の修理が必要だとか、旅先でトラブルに巻き込まれたなど、さまざまな理由をつけて、一時的な問題を解決するためのお金を要求してきます。 傍から見ると、知り合って間もない人にお金を要求されて、すぐに怪しいと思わないなんて信じられないかもしれません。しかし、ロマンス詐欺を仕掛ける詐欺師は、「ラブ・ボミング(Love Bombing、愛の爆撃)」という手段を使って、相手の感情を支配し操るのです。 ラブ・ボミングでは、最初はうっとりするような愛の言葉を絶え間なくささやきますが、そのあと、何の説明もなく、その愛情表現をやめて、相手がまた前のように愛されたいと思うように仕向けます。 あなたは、自分でも気づかないうちに、以前のような良い関係を取り戻そうとして、求められることを何でもしようと必死になってしまうのです。 注意すること 初めて会った人が、あれこれと優しくしてくれたり、誉め言葉を浴びせてきたりしたら、詐欺を疑いましょう。 そのあと、相手が不意に「冷たく」なり、あなたに対して怒っているようなら、ほぼ間違いなく詐欺の手口です(でなければ、情緒が不安定な人です。どちらにせよ、その人からはもう離れましょう)。