詐欺師が使う6つの心理作戦。つい引っかかってしまう理由とは?
2. プレッシャーをかける
詐欺師は、あなたが感情的、あるいは本能的になることを望んでいます。ですから、望み通りのことをさせるために、希少性や不安感を利用して、プレッシャーをかけようとします。 詐欺は多くの場合、時間が限定されていたり、供給量が少なかったりなど、限られた機会として提示されます。 そして、その機会を逃したくないあなたは、たちまち感情的になってしまいます。 人は、身に覚えのない高額の請求書を見ると、感情的に反応し、すぐにクリックして間違いを正したくなります。ちょっと手を止めて、連絡先の情報が本物かどうか確認しようとは思わないのです。 注意すること 問題を解決するため、あるいは、何らかの利益を確保するために、すぐ行動するよう迫られたときは、常に自分を制しましょう。 正当な取引ならば、そのように即決を求められることはありません。
3. フット・イン・ザ・ドア
人は、莫大な金額や、多大な努力を伴うことを前にすると、たいてい身構えてしまいます。詐欺師はそのことを知っています。 そこで、「フット・イン・ザ・ドア(Foot-in-the Door)」というテクニックを使って、あなたの守りを緩め、詐欺にかけるのです。 その仕組みはシンプルです。詐欺師はまず、簡単でささいな要求をしてきます。「2分だけお時間をいただけますか」などとちょっとした要求をしたり、簡単な質問に答えさせたりするのです。 道で署名集めをしている人から、「動物はお好きですか?」と質問され呼び止められた経験があるなら、それはフット・イン・ザ・ドアのテクニックです。 その最初の質問のあと、次々に追加で要求をされますが、あなたの思考態度はもう、黙って聞き入れる姿勢になっています。 はじめの要求に同意したために、それ以降の要求を拒むことが正当化しにくくなるのです。 たとえば、「ある社会運動は支援する価値がある」という意見に同意したとします。すると、その運動に対する寄付を断れば、自分が嘘つきのように思えてしまうのです。 このテクニックには、「サンクコスト効果」も使われています。質問に答えて、どんどん会話を続けていくことに自分の時間と感情を費やしてしまうと、そのまま立ち去ったり、成果なくやり取りを終わらせたりしたくなくなるのです。 フット・イン・ザ・ドアは、逆の使い方もできます。まずは、断わるのが簡単な大きな頼みごとをし、そのあとで、それよりもずっと小さい頼みごとをすると、小さいほうが、はじめの頼みごとと比べて急に妥当なものに見えるのです。 注意すること 見ず知らずの人が、前置きや挨拶もなくいきなり質問してきたら、ペースを落として、対応についてよく考えましょう。