【蒲郡ボート PG1クイーンズクライマックス】遠藤エミ 速攻逃げで圧勝 史上初の同一年夏冬女王
ボートレース蒲郡のプレミアムG1「第13回クイーンズクライマックス」は31日の最終日、強風の影響で5Rのスタート展示から装着された安定板が外れないまま第12Rで賞金女王決定戦(優勝戦)が行われた。枠なり全艇スローの進入から1号艇の遠藤エミ(36=滋賀)が押し切って優勝。優勝賞金1700万円を獲得した。昨年8月福岡レディースチャンピオンに続く同一年PG1連覇は史上初の快挙。2着は捲って遠藤を一瞬ヒヤリとさせた細川裕子、3着は三浦永理が入った。なお6日間の売り上げは223億4016万4400円で、目標の220億円を上回った。 強過ぎるにもほどがある!?穴党は全く出番なし。遠藤が完璧なイン速攻で史上初となる年間2冠達成。“夏冬女王”に輝いた。 「優勝できてホッとしている。3日目の1号艇で失敗していたので、同じ失敗はしないでおこうと…。今節の中では一番いい状態で走れたと思う」 優勝戦出場選手インタビューで6号艇の平山が前付け宣言して最終日10R発売中に行われたスタート特訓は2本ともスローから起こした。遠藤は少々深い起こし位置のインだったが、外から伸びられる雰囲気はなかった。 スタート展示、本番は枠なりの全艇スロー。遠藤はインからコンマ13のスタートを決めて落ち着いて先マイ。握ってきた細川を冷静に受け止めて、1周2マークを出て独走態勢に入った。 振り返ると、モーター抽選会からワンマンショーだった。選考順位1位で抽選順位は1番目。いきなりモーター番付で唯一横綱ランクの64号機を引き当てた。 「引いた時は一番いいエンジンと知らなかった。前検練習で乗って『メチャメチャいい』と思った」 トライアル1回戦を逃げて勝つと、2回戦は5コースから電光石火の捲り差しを決めて2連勝。さらに、3回戦の枠番抽選会で1号艇を引いた瞬間、他の選手たちが思わず苦笑い、あきれかえるほどだった。 完全Vの期待も高まった3回戦で2着に敗れたが、もともと2位以下に大差をつけていたのでファイナル1号艇は余裕でゲット。一度失敗したことで、やってはいけない調整が分かって、優勝戦は同じ失敗を繰り返さなかった。 2025年は新しいプレミアムG1「スピードクイーンメモリアル」(2月19~24日、浜名湖)が誕生する。史上初の年間2冠女王は、次は24年度3冠女王の期待もかかる。 「夏、冬連覇の感想は特に浮かばないけど、今回優勝できたことがうれしい。スピードクイーンメモリアルは推薦で乗れたし、もちろん獲りたい」 来る25年も絶対女王として突っ走るつもりだ。 ◇遠藤 エミ(えんどう・えみ)1988年(昭63)2月19日、滋賀県出身の36歳。滋賀支部の102期生として2008年5月6日にびわこでデビュー。12年11月25日の鳴門男女W優勝戦で初V。22年3月21日の大村クラシックで女子初のSG覇者となる。通算45VでG1は5V。クイーンズクライマックスは7年ぶり2度目のV。同期に河合佑樹、山田康二、前田将太ら。1メートル54。血液型A。