巨人OBがズバリ「田中、甲斐…大型補強でも巨人が優勝候補筆頭ではない」“キャッチャー多すぎ問題”に本音「(小林誠司は?)人的補償、誰が外れてもおかしくない」
現役時代、巨人のリーグ3連覇に貢献した小笠原道大さん。引退後は巨人の二軍・三軍コーチを務めた小笠原さんに今オフの積極補強について聞いた。【全2回の後編/前編も公開中】 【写真】「い、イケメン!」23歳だった小林誠司の超爽やか笑顔&「似合ってる?」巨人ユニが新鮮なマー君(11番)などすべて見る ◆◆◆
「阿部監督は絶対的なキャッチャーが欲しかったはず」
――このオフ、巨人の積極的な補強が注目を集めています。ライデル・マルティネス投手との超大型契約に加えて、野手陣ではソフトバンクからFA権を行使した甲斐拓也選手の獲得も発表されました。この補強について、小笠原さんはどう見ていますか? 小笠原道大(以下、小笠原) まず肩の強さ、キャッチャーとしての実力を高く評価して獲得に動いた。加えてリード面やインサイドワークも含めて、投手陣がさらに成長することを見込んでの補強でもあると思います。菅野智之がメジャーに移籍したことも踏まえて、セ・リーグ連覇に向けて新しいスパイスが必要だった、というところでしょうね。 ――今年の巨人は、主に岸田行倫選手(28歳)、大城卓三選手(31歳)、小林誠司選手(35歳)の3人でキャッチャーを回していました。一軍でマスクを被った数は岸田選手が79試合、大城選手が45試合、小林選手が41試合です。「キャッチャーが多すぎる」と見ることもできると思いますが、32歳の甲斐選手を補強した意図はどこにあるのでしょうか。 小笠原 今年は捕手を固定できなかったので、阿部(慎之助)監督としては143試合の大半でスタメンマスクを被るような絶対的なキャッチャーが欲しかったはずです。力のある甲斐が加わることによって、相乗効果で他のキャッチャーもよくなる、というのが理想ですよね。ただ実際にどういった化学反応を起こすのか……。人がやることですから、うまくいくとは限らない。「捕手の駒がだぶついている」という見方もありますが、甲斐が怪我で離脱してしまう可能性もあるし、戦力は揃っているに越したことはないでしょう。
小林誠司がプロテクトリストを外れる可能性は?
――気になるのは、FAの人的補償の行方です。「28人のプロテクトリスト」に誰の名前があって、誰が外れているのか……。さまざまな予想が出るなかで、甲斐選手に押し出される形でベテランの小林選手が外れる可能性も取り沙汰されています。 小笠原 過去に何回もサプライズがあったように、人的補償は誰が外れても不思議ではない。球団側が「この選手はプロテクトから外しても選ばれないだろう」と思っていても、指名される場合もあります。こればかりは双方の球団の考え方次第なので、結果が出てみないとわからない。誰かひとりをクローズアップするのは、偏った見方になる。監督以下、球団のごく一部の人にしか本当のところはわかりませんよね。一般論として、選手が多ければ多いほど外れる選手は出てくる。プロテクトを外さざるを得ない状況もあるとは思います。 ――打撃力のある大城選手ですが、来季の起用法はどうなるでしょうか? 小笠原 彼の特長を活かそうと考えれば、今年のような起用法(一塁と捕手の兼用)になるかもしれませんね。「ファーストもキャッチャーもできるバッティングのいい選手」であれば、チームとしては他の選手に一枠使えますから。 ――捕手として最多の79試合に出場した岸田選手としては、難しい立ち位置になります。 小笠原 試合数では今年がキャリアハイですが、彼はまだまだ成長する。甲斐が入ってきて違ったパターンを目の前で見ることで、新たな気づきもあるでしょう。とはいえ、本人としては「レギュラーをとるんだ」という意識でやらなきゃいけない。選手ごとにいろいろな働き方はあるけど、やっぱり野球選手はみんなレギュラーを目指していますから。一度は控えに甘んじても、次のチャンスを狙っていると思いますよ。
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