嶋田隆首相秘書官に問われる「官邸官僚の弊害」と「東電改革」
Copyright (c) 2021 SHINCHOSHA All Rights Reserved.
故・与謝野馨氏に見いだされ、以降長い「秘書官人生」を送ってきた嶋田氏には、経産省主導で再建が進められた東京電力改革など“失策”と呼ぶべきものも少なくない。政務と官僚の危うい関係に注目が集まる。 岸田文雄首相が選んだ首相秘書官8人の中に、筆頭格として 嶋田隆 ・元経済産業事務次官(61/82年通産省入省)が入った。事務次官経験者の首相秘書官への起用は、極めて異例だ。1982年入省同期組には、安倍晋三元首相の首席秘書官を務めた 今井尚哉 氏(63)がいる。岸田首相と嶋田氏は私立開成高校(東京)の同窓だ。嶋田氏は東日本大震災後に東電改革などを官邸とともに強力に進めた。経済産業省関係者は「以前から岸田事務所に出入りして、長年の付き合いがある。今井氏の推しもあって起用されたのではないか」と話す。 嶋田氏は、事務秘書官の筆頭としてまとめ役を担う。嶋田氏の出身と同じ経産省からは 荒井勝喜 商務情報政策局長(54/93年通産省入省)も登用された。財務省からは宇波弘貴主計局次長(56/89年大蔵省入省)、同省出身の中山光輝内閣官房内閣審議官(52/92年大蔵省入省)。ほかには外務省出身の中込正志内閣官房内閣審議官(55/89年外務省入省)、警察庁の逢阪貴士会計課長(52/92年警察庁入庁)が起用され、防衛省出身の中嶋浩一郎氏(54/89年防衛庁入庁)は菅内閣から留任。また岸田氏の事務所で秘書を務める山本高義氏が政務を担うことになった。
本文:2,312文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。