「ダブルエース」から「3本柱」へ 全日本大学駅伝関東地区トップ通過の東海大学で、中心を担う3年生たち
6月23日にあった全日本大学駅伝関東地区選考会で東海大学がトップ通過を果たし、11大会連続37回目の本戦出場を決めた。全4組で各選手が上位に入り、2組を終えて以降はトップ。「3位以内」をめざしていた中で終始、安定した強さが光った。 【写真】ダブルエースから3本柱へ、カギを握る鈴木天智
竹割真「自分の力でまずは本戦への切符を」
昨年の全日本は9位、今年の箱根駅伝は11位と、いずれもシード権獲得にあと一歩届かなかった東海大。今回の関東地区選考会では出場20校中、上位8人の10000m合計タイムが最も早い中で臨んだ。5月の関東インカレ男子1部10000mで5位入賞の花岡寿哉(3年、上田西)や同5000m日本選手トップの3位に入った兵藤ジュダ(3年、東海大静岡翔洋)ら、今シーズンに入ってから好成績を残している選手も多かった。 1組を任されたのは、五十嵐喬信(4年、水戸工業)と永本脩(2年、九州学院)。両角速監督によると、五十嵐は教育実習を終え、選考会の前日にチームへ合流したばかりだったという。レースは東洋大学の岸本遼太郎(3年、高知農業)や松井海斗(1年、埼玉栄)が集団を引っ張り、最初の1000mを2分56秒で通過。例年のような蒸し暑さがさほどなく、早いペースで進んだ。五十嵐は東洋大勢の後ろにつき、永本は集団の中で自分のペースを刻む。最後まで足をためていた永本が組5着、五十嵐は組10着できっちりと役割を果たした。 2組は竹割真(3年、九州学院)とルーキーの檜垣蒼(1年、倉敷)が出場。1組とは一転、最初の1000mを3分03秒で入るスローペースとなり、檜垣は早稲田大学の石塚陽士(4年、早稲田実業)とともに何かを話しながら集団の先頭に立ち、時折笑顔も見られた。ペースが上がり、残り4周となったところで先頭集団は6人に。2人ともこの集団に残り、竹割が組2着で先着。檜垣も組5着で続いた。 竹割は、この関東地区選考会に懸ける思いが強かった。「自分が最終区を走ってシード権を逃していた。自分の力で、まずは本戦への切符を取ろうと思って頑張りました」。今年の箱根駅伝を終えた後は、アキレス腱(けん)の痛みに苦しんだという。4月中旬までは思った通りの練習を積むことができず、関東インカレは応援に回った。照準を合わせた選考会で結果を残した。