「今度こそ誠実に話し合いたい」…「斎藤元彦」氏に辞職を要求した「県職労」幹部が明かした“苦しい胸中”
11月17日に投開票された兵庫県知事選挙は、失職して出直し選に臨んだ前知事の斎藤元彦氏(47)が再選を決めた。約111万票を獲得した斎藤氏は「指摘や批判も真摯に受け止め、県職員や県議会、そして市や町の首長の皆さんとも信頼関係をもう一度構築して県政を前に進めていきたい」と語った。 【写真をみる】“お土産”を「俺がもらっていく」と堂々お持ち帰り 高級ガニを手に満面の笑みを見せる斎藤前知事 ***
そもそも斎藤氏が失職に至ったのは、今年3月に元県民局長がパワハラなど7項目にわたる告発文書を報道機関に送り、その内容について記者会見で“嘘八百”と切り捨てたことに始まる。6月13日、その真偽を調査するために百条委員会が設置され、9月19日には県議会が全会一致で不信任決議を可決、斎藤氏が失職を選んだことで出直し選挙が行われた。 その間、7月に元県民局長が「一死をもって抗議する」との言葉を残して自ら命を絶ったことを受け、兵庫県職員労働組合(県職労)が斎藤氏宛に事実上の辞職を求める申し入れ書を提出していた。再選を果たした斎藤氏をどう考えているのか、県職労幹部に聞いた。 県職労:しゃーないなあ、というのが本音です。我々としては「県政を一新して安心して働ける職場にしてほしい」ということで申し入れを行いました。あの時、一度は職員との関係を修復するという話もありましたが、結局は叶いませんでした。ですから、今も申し入れを撤回する気持ちはありません。まだ斎藤さんは知事に就任していませんが、早速、秘書課と職員課長に、県職労委員長が知事に会わせてもらえるよう申し入れを行いました。前期の斎藤知事の時には、一度も会うことができませんでしたから。 ――知事を失職するまでの3年間、労組の委員長は斎藤氏と一度も会っていなかった?
「パワハラはなかった」
県職労:そうです。どういうお考えなのかはわかりませんが、一度も会おうとはなさりませんでした。しかし、こちらとしても、県職員に目を向けてもらわないと仕事ができません。県職員が安心して働けなければ、県民に迷惑がかかります。 ――当選した斎藤氏は「謙虚な心」で県政を進めるとも発言している。 県職労:そうあってほしいと思います。職員としては内部告発文にもあったパワハラが一番の問題ですから。 ――だが、選挙期間中、SNSでは「パワハラはなかった」「斎藤さんは悪くない」という情報が拡散された。斎藤氏に投票した人の多くは、こうしたSNSの投稿を信じていたと報じたメディアもある。斎藤氏自身も「報道が本当に正しいのか」と呼びかけるようにもなった。 県職労:嘘も100回言うたらホンマになるとは言いますけど、立花(孝志)さんとか、いろんなこと言われていますから、そういう言い方もあるんだなと……。 ――「内部告発したらNHKをクビになりました」をウリにしている政治団体・NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏は、今回の兵庫知事選に立候補したが、自身の選挙活動より斎藤氏の擁護を優先した。政見放送ではこう訴えた。 《今回の選挙はこのパワハラ問題をきっかけにスタートしています。(元兵庫県明石市長の)泉(房穂)さんは、実は思い切りパワハラしていました。しかしながら、前知事はパワハラしてた証拠は何一つ出てこなかった。机を叩いた、これだけですよ! 》