友人の夫は外科医ですが、激務で「1週間に1回」帰れたらいいみたいです。「意外と余裕ないよ」とのことですが、忙しくても“高収入”ではないのでしょうか?
「配偶者の仕事は医者」と聞くと「生活にゆとりがありそうでうらやましい」と考える人も多いのではないでしょうか? 確かに一般的に医師の給料は高いといわれることもありますが、勤務時間が不規則で休みも取得しにくいというケースもあります。昼夜関係なく激務だと「1週間に1度家に帰れたら良いほう」といったこともあるかもしれません。 本記事では、主に外科医として勤務する場合の就労実態や収入事情を紹介し、世間のイメージとギャップはあるのか解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
外科医の勤務実態
「外科医は同じ医師でもほかの科に比べると激務で大変」といったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、労働時間はどうなっているのでしょうか。 一般社団法人日本外科学会が実施した「外科医師の勤務実態調査」によると、男女合わせた労働時間は全世代平均で週66.8時間、当直は週0.8回となっています。若年層になるほど労働時間が増える傾向にあり、20代だと週77.7時間、当直は週1.1回です。 仮に「1週間に1日休みをとる」場合、労働時間が週70時間だと1日あたり12時間近く働いている計算となります。 労働基準法では原則1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならないとされています。業種や業界によって仕事内容や実態が異なるので一概には言えないものの、外科医は勤務時間が長いことが分かります。 外科医は医師の中でも激務といわれることも多いですが、その理由として次のようなものが挙げられます。 ・昼夜、休日問わず仕事が入る可能性がある ・日勤や当直など勤務時間が不規則 ・手術や急患対応などが連続で入ると家に帰れないこともある 外科医の種類にもよりますが、患者の容体に合わせて手術やその他の処置などを行わなければならないため、「勤務時間はあってないようなもの」といっても過言ではないのかもしれません。 厚生労働省が公表している医師の勤務実態についての調査によると、2022年調査において「時間外・休日労働時間が年1860時間超の医師の割合」は外科医7.1%となっています。仮に年1860時間だと単純計算で月155時間の残業をしている形となり、「外科医=ハードワーク」の実態が改めて浮き彫りになっています。 ただし、2019年の調査に比べると、どの科でも「時間外・休日労働時間が年1860時間超の医師の割合」は低くなっているので、環境は改善しつつあることが分かります。