シリーズ最新作「Call of Duty: GHOSTS」発売――歴史を振り返る
“戦場にいる一兵士”としての臨場感
その後、PlayStation 2用「Medal of Honor: Frontline」などのシリーズ作が追加されていくことになりますが、ここで開発元である2015, Inc.に足並みの乱れが生じます。MoHでは、映画「ランボー」や「コマンドー」のようにプレイヤーが1人で大量の敵を倒していく、いわゆる“スーパーマン”的な位置付けの主人公を描いたストーリーでした。しかし、メンバーの一部はあくまでも“戦場にいる一兵士”としての臨場感を求めたのです。その結果、22名が独立して新しいゲーム開発会社のInfinity Wardを設立。こうして生まれたのが、CoDシリーズの記念すべき第1作「Call of Duty」でした。 CoDは、当初から“打倒 MoH”を目指して開発されたタイトルです。重要なのは、同じ第二次世界大戦というバックグラウンドを用いながらも、決してコピーであってはならないというコンセプト。そして主人公の位置付けも“一兵士”として、より現実的な世界を描いています。 また、一兵士である以上は味方との連携が不可欠になることからAIが大幅に強化されており、MoHと同様にプレイヤーがある地点まで到達すると次のイベントが発生する「スクリプト」ベースの演出、MOD開発が容易な点など、ゲームシステムに関しても練り込まれたものでした。その後、ナンバリングされたメインシリーズとして「Call of Duty 2(CoD2)」「Call of Duty 3(CoD3)」が発売され、シリーズ累計2000万本もの売上を達成します。
シリーズ初となる現代戦への移行
そして2007年発売の「Call of Duty 4: Modern Warfare(CoD:MW)」で、CoDシリーズが大きなターニングポイントを迎えました。ゲームの舞台が今までの第二次世界大戦から一転、シリーズ初となる現代戦へと移行したのです。また、3種類のスキルを組み合わせて使える「Perk」、経験値とレベルに応じて武器やスキルがアンロックされるシステムなどを新採用し、マルチプレイにおける戦略性が大幅に上がりました。 CoDシリーズではタイトルによって開発元が異なりますが、CoD:MWを開発したのはCoDとCoD2を手がけたInfinity Wardです。CoDの生みの親が、また新たな可能性を見出した作品ともいえるでしょう。こうした改革と本格的なマルチプラットフォーム対応が功を奏し、北米と英国だけで発売初日のセールスが650万本以上、その後も含めると全世界で1400万本以上という驚異的な売上を記録しました。 Treyarchが開発を手がけた2008年発売の「Call of Duty: World at War(CoD:WW)」では、舞台が再び第二次世界大戦へと戻りますが、翌年にはCoD:MWの5年後を描いたInfinity Ward開発タイトル「Call of Duty: Modern Warfare 2(CoD:MW2)」が登場。発売初日に470万本(3億1000万ドル)を売り上げました。