【スプリンターズS 俺のチェックポイント】3年連続参戦のウインマーベル 京王杯SCから直行で動き絶好
スプリンターズSの俺のチェックポイント2日目は、東京サンスポの山口遥暉記者が一昨年の2着馬ウインマーベルに迫った。3年連続の挑戦となるが、今年はキーンランドCを挟まず5月の京王杯SCから直行で参戦。その狙いをトレーナーに聞いた。昨年暮れから動きが見違えるようになっており、本格化ムードも漂っている。 ◇ 3年連続のスプリンターズS出走となるウインマーベル。一昨年はクビ差2着、昨年も出遅れながら0秒4差の6着と頂点に手が届いてもおかしくない実力馬だ。今年は前2年と異なり、キーンランドCを挟まずに5月の京王杯スプリングCから直行を選択。その狙いと効果を深山調教師に尋ねた。 「キーンランドCは馬場が悪くなる年もありますからね。よりよい状態に持っていくためにオーナーと相談して決めました。しっかりケアして早めに帰厩できましたし、そのぶん乗り込めていますよ」 柔和な表情から、陣営の手応えを感じ取れた。この日は角馬場からダートコースを1周半。調教終わりには、ステップを踏むように軽快な脚取りで厩舎に引き揚げていった。リフレッシュ効果で心身ともに整っている証しに違いない。 美浦で取材を始めてから約1年。この間、ウインマーベルは印象が大きく変わった1頭だ。もともとズブく、調教では目立たないタイプ。それが昨年の暮れあたりから前進気勢が芽生え、見違えるような動きを披露するようになった。トレーナーも「以前は浮くような走りでしたが、しっかりハミを取って走れるようになり、前向きさが出てきました」と成長を実感している。 もちろん、放牧を挟んだ今回の中間も絶好の動きだ。19日は美浦Wコースで僚馬と併せて5ハロン65秒5－11秒5で4馬身先着。日曜にも速い時計を出し、指揮官は「行きっぷりが良かったですね。この感じなら力を出せるでしょう」と目を細めていた。 直近の3勝は全て1400メートルで、6ハロン戦の高松宮記念で12着に沈んだ点は気になるが、トレーナーは「距離ではなく馬場が緩すぎたことが敗因。（開催）4週目で適度に荒れているのはいい条件です」と舞台設定に自信をのぞかせる。 本格化を迎えた5歳馬。最終判断は今後の追い切りや枠の並びを考慮してからだが、重い印を回すに値する存在だと再認識できた。（山口遥暉）
