【実情】バスも宿も争奪戦!? 価格高騰する修学旅行 教育現場の課題と工夫 “新たな形”を見出す学校も
■時期や行き先の分散はできないの?小学校の修学旅行
(鴨池小学校・桃北紀和校長) 「ある意味、仕方ないこと。色々な物価が上がっているのは知っている。保護者の理解を得られる範囲、説明できる範囲でおさめられないか常に考えながら学年主任を中心に検討している」 打ち合わせの際、旅行会社がこんな話をしていました。 (T-LIFEパートナーズ・今森智之さん) 「時期の分散、行き先の分散。ほとんど同じコースなのでだいたい宿泊先も同じ。希望する日程も同じだと確保しづらい」 このことを学校長に伝えると… (内田直之キャスター) 「他の時期に行ったらいいのでは?という考えもあるようですがいかがでしょうか?」 (鴨池小学校・桃北紀和校長) 「そういう提案はあると思う。他の行事との関連もありますので難しい。冬場はインフルエンザが流行ってくる。できれば避けたいのが本音」
■経済的な理由を抱える家庭への“就学援助制度” 利用者の数は・・・
鹿児島市は、経済的な理由を抱える保護者への就学援助制度を設けています。所得の基準をクリアすれば修学旅行の費用が援助されます。昨年度は、鹿児島市立の小中学校の児童、生徒4万9879人のうち1万51人、5人に1人が援助を受けました。ただ、所得の制限があるため誰もが利用できるわけではありません。
■義務教育が社会情勢の影響を受けるのはアリ?ナシ?
こうした状況について。社会教育の専門家は。 (早稲田大学・文学学術員 久保田治助教授) 「物価も去年から今年になって大きく変わっている。その分の負担が家庭に行くのは義務教育だと問題かなと思う。修学旅行の費用の補助をできれば国や地方行政がもう少し考えてもらえたらなと思う」 「本来、義務教育は社会情勢の影響を受けるべきではない」と訴えます。
■新たな“修学旅行の形” 小学校が活用したのはバスではなく・・・
そうした中、修学旅行の新たな形を作りあげた学校があります。鹿児島市の中郡小学校です。2年前に、移動手段をバスから九州新幹線に変えました。近年のガソリン価格の高騰などで費用も上がっていたため意外にも2000円程度の増額で済んだそうです。新幹線の利用は大きなメリットがあったと言います。