昔から「井戸水」を使用している祖父母宅。飲み水にも使用しているそうなのですが、安全面は大丈夫でしょうか?
「祖父母宅では昔からずっと井戸水を使用しているけれど、安全なの?」と身近な家族が井戸水を使用していると心配になる方もいるでしょう。最近では井戸を見かける機会も減ったため、井戸水に対する知識を得る機会も少なく、より心配や不安がつのります。 そこで今回は井戸水の安全性や使用時の注意点、実際に井戸水を使用すると、どのくらい水道代が節約できるかなどについて解説します。 ▼節約のためにトイレを「3回に1回」だけ流すのは危険! 節約効果とデメリットを解説
井戸水と水道水の特徴
まずは、井戸水と水道水の違いについて解説します。 ◆水道水 水道水は、河川・池・湖・雨水・地下水など自然のさまざまなものを水源とし、浄水場でろ過や消毒をおこなっています。蛇口をひねると出てくるのが上水道、使用した水が流れていくのが下水道です。 水道水をそのまま飲むと少し薬品のにおいを感じることもありますが、基本的にはろ過・消毒がきちんとされている証拠として考えられます。 ◆井戸水 地下にある水脈からくみ上げたものが井戸水です。地下から直接くみ上げているため水道水のような処理はされていません。 地表から水脈まで10~30メートルの場合を浅井戸、30メートル以上のものを深井戸と呼びます。浅井戸は、水脈までの距離が短いためろ過が不十分な場合が多く飲用には適しません。 深井戸は浅井戸の水より比較的ろ過されていますが、飲用には十分な検査が必要です。基本的に井戸水は、飲用ではなく生活用水として使用することが推奨されています。
井戸水を飲み水とする場合のポイント
井戸水を安全に飲むためには大きく2つのポイントがあります。それぞれ解説します。 ◆1.水質を検査する 井戸水を安全に飲むために欠かせないのが、水質の検査です。個人の井戸における水質の検査は義務化はされていませんが、東京都保健医療局では、井戸水を飲用する場合は安全性のためにも年1回は専門の検査を受けるよう推奨しています。 検査は厚生労働大臣の登録を受けた検査機関などで実施しており、費用相場は8000円~2万円ほどです。 ◆2.井戸周辺の環境を整備する 地下水は周辺環境の影響を受けやすいため、周辺環境の整備も大切です。周辺で大量の農薬散布があったり、野生動物が生息していたりする場合には特に注意しましょう。ふたをする、定期的に清掃・点検を実施するなどの対策をする必要があります。