「朝のコーヒー」に健康効果あり? 飲むタイミングや避けるべき体質は 【管理栄養士が解説】
朝にコーヒーを飲まない方がいい人は?
編集部: 朝のコーヒーを避けた方がいい人はいますか? 上坂さん: 胃が弱い人は避けた方がいいでしょう。特に朝は胃もまだ完全に起きていません。そこにいきなり刺激が強いコーヒーを飲むと胃痛や胸焼けの原因になります。朝食はコーヒーだけという方は胃粘膜が荒れやすくなり、胃疾患の原因になります。コーヒーは朝食後に飲むようにしましょう。 編集部: コーヒーは刺激物と聞きますが、メンタルへの影響はありますか? 上坂さん: 精神的に不安定な方にはコーヒーをおすすめできません。ドーパミンやアドレナリンなどによる脳の興奮は「アデノシン」が抑えています。ですが、このアデノシンはカフェインによって抑制され、脳にブレーキがかかりにくくなってしまいます。するとメンタルへの負担も大きくなりイライラや不安、不眠などの症状を悪化させてしまいます。また、アデノシンは睡眠物質とも言われ、コーヒーを飲むと目が覚める、夜に眠れなくなる理由でもあります。 編集部: コーヒーには依存性があると聞きますが本当ですか? 上坂さん: コーヒーのカフェインに依存性があります。例えば、毎日5杯以上コーヒーを飲み続けるとカフェインに対して耐性ができ、やる気や覚醒作用が感じにくくなります。するとカフェインの摂取量がどんどん増えていきます。毎日大量にコーヒーを摂取し続けると、脳や副腎が疲れてドーパミンやアドレナリンが十分に作られなくなります。これによってやる気や集中力がなくなり、うつ症状などに襲われやすくなってしまうのです。
朝にコーヒーを飲む時のおすすめの量やタイミングは?
編集部: 朝にコーヒーを飲む時のおすすめの量を教えて下さい。 上坂さん: 体への負担を考えると、朝は1~2杯のコーヒーにとどめましょう。1日を通してでは、3~4杯までにすることがポイントです。これを頭に入れて昼間などに飲むコーヒーの量を考えるといいでしょう。 編集部: 朝に飲む時は、食前・食後などタイミングはありますか? 上坂さん: 朝食後であれば、胃への負担が減るのでおすすめです。コーヒーに含まれるカフェインは食後のカロリー消費にも役立ちます。食後のコーヒーは理にかなっていると言えるでしょう。 編集部: コーヒーの淹れ方にも違いはありますか? 上坂さん: コーヒーはいれたてを飲むようにしましょう。いれてから保温して時間が経つと老化や病気の原因になる「AGEs(終末糖化産物)」が増えてしまいます。 編集部: 最後に読者へのメッセージをお願いします。 上坂さん: コーヒーが好きという方はたくさんいらっしゃいますよね。コーヒーの香ばしい匂い、苦味、渋み、酸味、甘みが一体となって感覚を刺激し、リフレッシュやリラックスを与えてくれます。朝コーヒーにはメリットがたくさんありますので、ぜひ取り入れてみてください。