講話や寸劇で認知症学ぶ キッズサポーター養成講座 龍南中学校
鹿児島県龍郷町の龍南中学校(碇山信行校長)で12日、認知症について理解を深める「認知症キッズサポーター養成講座」があった。2年生34人が受講。認知症の症状や当事者との接し方、周囲の人ができることなどについて、講話や寸劇で理解を深めた。 認知症に対する正しい理解を普及するための事業。県などが実施している研修を受講し、認知症について啓発する「キャラバン・メイト」の認定を受けた講師が、地域や学校などで講座を行う。 2年生の総合的な学習の時間のテーマは「福祉」。今年5月ごろから高齢者福祉に分野を絞って学んでおり、10月の学習発表会では認知症について発表する。同校での認知症キッズサポーター養成講座の開催は初めて。 この日は、町地域包括支援センターや町内の福祉施設などからキャラバン・メイト11人が来校。社会福祉法人「竜泉会」の法人本部長・重枝一馬さん(34)が講話を担当した。 重枝さんは、龍郷町は総人口のうち、33・85%に当たる2036人が高齢者(6月末現在)とのデータを示した上で、「(認知症は)さまざまな原因によって脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりして障害が起こり、生活に支障が出ること」と説明した。「周りの人が支え、助け合うことができれば、認知症の人も家族も安心してこれまで通り暮らすことができる」とも語った。 認知症の人との接し方は▽驚かせない▽急がせない▽自尊心を傷つけない―の三つを強調。病院や自動販売機の前で困った様子を見せる高齢者に周囲の人が正しく声を掛け、サポートする方法を寸劇で伝えた。 後半はグループワークがあり、認知症と思われる高齢者を街で見掛けたときに取る行動や気を付けることなど、相手の気持ちを考えて話し合い、グループごとに発表した。 講座後、生徒らは認知症のキッズサポーターであることを示す「オレンジリング」を受け取った。奥姫菜さん(14)は「認知症にもたくさんの種類があることを知った。(認知症の人に)どのような対応をすればいいか、資料だけでなく、劇もあり分かりやすかった。今後そのような場面に遭ったときには、優しく、相手を否定せず接することができるよう意識する」と話した。