記帳義務化時代の確定申告、会計ソフトで乗り切ろう
確定申告の季節がやってきた。各税務署では、2月16日から3月16日まで申告書の受付と相談を行う。すでに確定申告関係の書類も配布されている。確定申告のポイントと、面倒な申告を乗り切るクラウド会計サービスを紹介しよう。
なぜ確定申告は重要なのか?
確定申告は、個人事業主だけではなく、年収2000万円以上の会社員や、複数の職場を掛け持ちしている人、年金で暮らしている人はしなくてはならない。不動産で収入を得ている人も、必要だ。また、大病をして医療費がかかった人は、医療費控除のためにしたほうがいい。しかし、とくに個人事業主にとっては確定申告は重要だ。 なぜ、確定申告をしなくてはならないのか。会社員(とくに正社員)なら、健康保険のことも、年金のことも、すべて会社がやってくれる。しかし、それ以外の人はそうはいかない。収入や所得を正確に申告しないことには、国民健康保険料の金額も役所が決めることができず、収入の低い人の場合は、公的年金の減免の判断の基準もない。確定申告をしないと、単純に未申告だから税務署がやってくるというリスクだけではなく、健康保険についても困ったことになるのだ。しかも2014年から、白色申告の人も記帳と帳簿書類の保存が必要になった。いままでは領収書を集めて総売上の中からざっくりと経費を引いて、ということも可能だったが、そういったアバウトなことはできなくなった。
クラウド会計ソフトとは?
現実には、いまなお手書きの帳簿やExcelで会計作業をしている個人事業主もいる。あるMacユーザーのデザイナーは「いまだ、手書きです」といい、別のフリー編集者は「白色申告なので、Excelで済ませている」という。これではまるで、作業がはかどらない。そこで、注目されるのがパッケージの会計ソフトやクラウド会計ソフトだ。 「やよいの青色申告」などは広く利用されており、記帳義務化でその注目度は高まっているが、最近では「freee」などのクラウド会計ソフトからも目が離せない。パッケージの会計ソフトではWindowsのものがほとんどだったものの、クラウド会計ソフトはWindowsやMacを問わず使用することができる。今後は、クラウド会計ソフトが普及していくと思われる。 なぜクラウド会計なのか?、クラウド型会計ソフトではトップシェアを誇る「freee」の佐々木大輔社長を取材した。 「freee」のサービスは、既存の会計ソフトのサービスと違って、経理のプロセスを自動化し、銀行やクレジットカードのウェブサービスとの連携も簡単だ。また、スマートフォンで撮影した領収書を自動で読み取って帳簿作成作業を自動で行う。とくに「自動化」が、このサービスの特徴である。ほかにも、クラウド型のソフトなので複数のパソコンを使っている人や移動の多い人には役立つという。 佐々木社長は、「自動化を活用して本来の仕事をスムーズに行えるようになってほしい。ネットバンキングやクレジットカードを駆使し、さらに商店ならばiPadやAirレジを活用し、徹底した経理業務の自動化を行ってほしい」という。請求書もfreeeで作成することができ、振込があったら自動で検知できるので、そこでビジネスの経理業務を一元化できる。