「温泉」と名の付くJRAのレースはいくつ? 今週末の“温泉レース”を前に調べてみると
北海道や東北から雪の便りも聞こえ、朝晩も冷えるようになってきたこの頃。温泉が恋しい季節になったのではないだろうか。土曜福島9Rに高湯温泉特別(3歳上・1勝クラス・芝1800m)が組まれているが、JRAで「温泉」と付く競走は全部で7つある。果たしてどの温泉がレース名になっているのか興味深いところ。さっそく探ってみよう。 【動画】鉄道駅では初!西白井駅がウマ娘仕様に 函館では湯の川温泉特別が行われている。競馬との関わりも深く、函館競馬場に設置の「馬の温泉」で使われているのも湯の川の源泉。競馬場内に移る前は温泉街の中にある「大湯温泉」に競走馬用の温泉施設があり、1962年から78年まで使われた。交通事情などにより一旦は廃止されたが、関係者の強い要望もあって、81年に競馬場の中に再び開設。関節炎や筋肉痛に効くほか、リラックス効果があるとされ、多くの馬が身体を休めるために使っている。 福島で実施されているのは3競走。12歳まで現役を続けたサイモントルナーレが、10年に制した飯坂温泉特別の飯坂は、「福島の奥座敷」と呼ばれる。縄文時代にルーツを持つ日本屈指の名湯で、松尾芭蕉や正岡子規、与謝野晶子らも訪れたという。土湯温泉特別は21年目黒記念Vのウインキートスが前年に勝利。高湯温泉特別では、のちに重賞2勝を挙げるタツゴウゲキが16年に白星を飾っている。両者で土湯・高湯温泉郷を構成。ともに山々に囲まれた閑静な温泉街で、白濁の湯を特徴とし、古くからの湯治場の姿を残している。 新潟でも同じく3レース。岩室温泉特別では、14年に勝ったタガノトネールがのちに重賞2勝を挙げた。江戸時代中期に開かれた湯は弥彦神社の参拝客で栄え、硫黄と鉄が結合することで生まれる「黒いにごり湯」が特徴的。瀬波温泉特別は、地方移籍で花開くスペルマロンが勝ち馬に名を連ねる。瀬波温泉は日本海沿いにあり、夕刻には海に沈みゆく夕陽とともにひと風呂浴びることができる名湯だ。最後に月岡温泉特別は、22年に勝ったラーグルフが翌年の中山金杯を制覇。県内を代表する温泉街であり、「もっと美人になれる温泉」がキャッチコピー。エメラルドグリーンに輝く硫黄泉が美しい。 温泉は日本各地に存在するものの、JRAのレース名になっているのは函館、福島、新潟の3場。温泉地として名高い別府や由布院といった地名もレース名になっているが、それぞれ別府特別、由布院特別で、名前に"温泉"は付かない。24年現在では、以上7競走のみとなっている。競馬場に来たならば、レース名になっている温泉でひと風呂浴びるのも、旅打ちの醍醐味になるだろう。 【「温泉」のつくレース一覧】 ・函館競馬場 湯の川温泉特別 ・福島競馬場 飯坂温泉特別、土湯温泉特別、高湯温泉特別 ・新潟競馬場 岩室温泉特別、瀬波温泉特別、月岡温泉特別