委員長ポストは野党結束し主導、自民が大幅譲歩強いられる…立民・野田代表「国会の風景変わる」
「議運」と引き換え 「予算」手放す
衆院各派協議会での委員長ポストを巡る攻防は、野党主導で決着した。自民は強気の姿勢で交渉に臨んだものの、衆院選で与党が過半数を割り込んだことで大幅な譲歩を強いられた。今後、与党が厳しい国会運営を迫られることは必至だ。 【一覧表】与野党が合意した委員長ポストの配分
「満額回答」 「これから国会の風景が変わる。『これこそ国会審議だ』という改革を進めていきたい」
立憲民主党の野田代表は8日の記者会見で、委員長ポストが大幅に増えたことを踏まえ、今後の国会審議に臨む意気込みを示した。
11日召集の特別国会に向け、院の構成などを議論してきた衆院各派協議会は8日、常任・特別委員長などのポスト配分を決定した。計17の常任委員長ポストは衆院選前の「与党15、野党2」から「与党10、野党7」と大きく様変わりした。
野党に割り当てられた七つのうち、五つを占めた立民幹部は「満額回答に近い」と満足そうに語った。
結束
1日に始まった協議会では、自民は当初、強気の姿勢を崩さず、衆院選前と同水準のポストを要求。これに野党が反発し、議論は膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。
だが、与党が過半数を割り込んだ状態での交渉は、野党有利で進んだ。協議会での議論が決裂し、本会議採決に持ち込まれれば、野党が押し切れる算段が付いていたためだ。首相指名選挙では足並みがそろわない野党も、ポストの要求では結束しており、自民幹部は「初めから勝算のない交渉だった」と打ち明ける。
国会での主導権を巡り、変化の象徴となりそうなのが予算委員長ポストの行方だ。自民は、法案を参院に送るために必要な本会議の開催を決める議院運営委員長を維持するのと引き換えに、予算委員長を手放した。国会運営に精通する立民の安住淳氏が委員長に就くことが固まっている。
数あるポストのうち、立民は法務委員長も強く要求した。選択的夫婦別姓の導入を主張する立民は、別の委員長ポストを自民に返上してまでこだわったほどだ。公明党も導入に賛成の立場で、年明けの通常国会では議論が進展する可能性もある。