委員長ポストは野党結束し主導、自民が大幅譲歩強いられる…立民・野田代表「国会の風景変わる」
死守 立民は政治改革特別委員長も担うことが決まり、自民派閥の「政治とカネ」の問題で攻勢を強める構えだ。
一方で、自民が「死守」したのが内閣委員長だ。重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた関連法案の審議に備えた対応で、日米同盟の連携強化などの観点から与野党を問わず法整備を求める声が出ている。
政府は臨時国会への法案提出は見送る方針だが、石破首相は7日、早期の国会提出に向けて作業を加速するよう平デジタル相に指示した。国民民主党の玉木代表も8日、東京都内で「法整備は我々も協力するので、急いでやるべきだ」と述べ、法案審議に協力する考えを示している。
憲法審会長に枝野氏…初の野党
衆院憲法審査会長は立憲民主党に割り当てられ、枝野幸男元代表が就任することが固まった。憲法審査会長ポストを野党が務めるのは初めて。
審査会は憲法を含め、情報監視、政治倫理の計三つある。自民、立民両党は委員長について「自民2、立民1」で配分することで合意した。立民は憲法か政治倫理のどちらかを譲るよう強く求めた。自民は政治倫理を渡した場合、派閥の「政治とカネ」を巡る政倫審の開催などで立民主導になることを懸念し、憲法を手放した形だ。
衆院選の結果、改憲に前向きな勢力が、国会発議に必要な総定数の3分の2にあたる310議席を下回ったことも決断を後押しした。
とはいえ、憲法改正は自民の「党是」で、党内からは早くも反発の声が出ている。自民の坂本哲志国会対策委員長は8日、党内の保守派の重鎮らに謝罪して回った。
額賀議長、続投 玄葉氏、副議長に
衆院は8日、議院運営委員会に代わる各派協議会で、自民党の額賀福志郎議長を続投させ、副議長に立憲民主党の玄葉光一郎・元外相を選出することで合意した。11日召集の特別国会本会議で正式決定する。
額賀氏は、安定的な皇位継承に関する与野党協議が継続中であることを踏まえ、続投となった。副議長は野党第1党から選ぶのが慣例となっている。玄葉氏は、民主党政権で外相のほか、国家戦略相などを務めた。