某国大使館のメルセデス・ベンツ「300E」が破格の97万円! 走行距離も15万9000キロの極上「W124」でネオクラシックカーライフを妄想してみては?
走行距離は約40年間で15万9000キロ
その40年近くにおよぶ生涯で、9万9240マイル(約15万9000km)を走破してきたものの、平均的な日本人ユーザーはまだしも、欧州のメルセデス・ファンならば、きっとこの走行距離でも大したことはないと考えるかもしれない。 車両に添付される膨大なヒストリーファイルには、8万7000マイルまでのサービス履歴が記録されており、そのうち最初の6万8000マイルはメルセデス・ベンツの正規ディーラーで行われたものである。近年ではブッシュやサスペンション・トップなど、足まわりのリペアに大きな費用が投入され、オリジナルの乗り心地を取り戻したばかり。オリジナルの販売パンフレットとブックパック、3つのキーが付属しているとのことであった。 そして今回のオンライン入札に先立ち、アイコニック・オークショネアーズ社と現オーナーは6000ポンド~8000ポンド(約114万円~152万円)という、かつて「中古車」だった時代に比べるとかなり高め、「ヤングタイマー」としてはリーズナブルにも映るエスティメート(推定落札価格)を設定した。 ところが、6月20日にビッド(入札)が解禁となっても価格は思ったように伸びず、スタートから1週間後、6月27日の締めきりでは5063ポンド、現時点のレートで日本円に換算すれば約97万円という、かなりリーズナブルなプライスのまま落札されることになったのだ。 ただ今回の落札価格は、ブルーノ・サッコ氏が考案したとされるボディサイドの保護プレート、通称「サッコプレート」を持たない初期モデルのミディアム・メルセデスとしては、かなり安価であるのも事実。個体コンディションに問題があるのか、あるいはオークションに起こりがちな「イレギュラーな」事象とも考えられる。 ともあれ、洋の東西を問わず「底値」と呼ばれる時期はすでに脱し、近ごろマーケットに姿を見せるようになったレストア済みのW124セダンでは500万円前後のものも珍しくはなくなっていることから判断しても、まさしく今こそが「中古車」から「クラシックカー」へと移行する過渡期にあることは、ご記憶の片隅に留めておいていただきたいところである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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