某国大使館のメルセデス・ベンツ「300E」が破格の97万円! 走行距離も15万9000キロの極上「W124」でネオクラシックカーライフを妄想してみては?
現在の交通事情でも「使える」ネオクラシックカー
1993年に施行されたマイナーチェンジ以降、このシリーズは「Eクラス」として販売されるようになり、以来、この名前は中級カテゴリーのメルセデスでは不変のものとなり、1996年に「W210」系Eクラスに取って代わられるまで、250万台以上のW124が幸せなオーナーのもとで、それぞれの生活や業務を支える存在となった。 そして30年近い時を経た現在、W124は持ち前の頑丈さや、部品供給体制がかなり充実していることも相まって、現在の交通事情のもとでも「使える」ネオクラシックカーとして、日本を含む全世界で今なお実用車としての本分をまっとうしている。 ただしこれほどの台数が生産されたことで、現代においても希少なレア車として認識されることはない。また最上級のクオリティを持つとはいえ、やはり実用車であるという宿命には抗えず、これまでクーペ(C124)でもエステートワゴン(S124)でもないW124リムジーネは、現在においても比較的安価なマーケット価格で推移していたはずなのだが、どうやらその図式も崩れつつあるかに見えてきているのだ。
落札価格は100万円以下だけど、これはイレギュラーな安値……?
アイコニック・オークショネアーズ社は、2011年に「シルヴァーストーン・オークション」として創業。2023年8月に現在の屋号に改組して再スタートを図ったという、自動車オークションビジネス界では比較的新興勢力ともいうべき会社である。同社では、毎月末に期間限定のオンラインオークションを開催しており、2024年6月のオークションでは20日に入札スタート。1週間後の27日の午後7時に締め切られる設定とされた。 今回の「The June Online Timed Auction」に出品されたW124は、もともとアフリカの某国大使館がイギリス国内で公務に使用するためにオーダーしたもので、グレードは当時の最上級モデルである「300E」。最高出力180psを発生する3LのフューエルインジェクションM103型直列6気筒SOHCエンジンを搭載している。 また、この時代からのメルセデス・ファンには懐かしいベロアのインテリアトリムを特徴とするかたわら、クライメートコントロール(エアコン)やサンルーフのオプションは選んでいない。また、オリジナルの「ベッカー」社製カーステレオが残されている。 いっぽう、このモデルから採用された特徴的な15穴ディッシュ型アロイホイールは、ドイツのマンホールや排水口の蓋に似ていることから「ガリデッケル(Gullideckel)」または「マンホールカバー」の愛称で呼ばれる1980~1990年代メルセデスの視覚的特徴。この個体では、仏ミシュランの良質なタイヤと組み合わされている。
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