米鉄鋼株の人気復活、トランプ氏返り咲きで業界先行きに楽観論
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領の返り咲きが確実になってわずか数時間後に米鉄鋼株が急伸したことは、今回の大統領選勝利が業界にとって強気材料と投資家がみていることを示すものだ。
新たな保護主義の導入と世界貿易ルールの再構築につながるとの観測が広がり、米大手鉄鋼メーカー4社の株価は6日、それぞれ10%を超える上げとなった。トランプ氏は選挙戦を通して国内産業と雇用を脅かす輸入品に追加関税をかけると表明してきた。
USスチール、ニューコア、クリーブランド・クリフス、スチール・ダイナミクスなど15銘柄で構成されるS&Pの鉄鋼サブ指数は一時14%高と、この15年余りで最大の上げを演じた。
キーバンク・キャピタル・マーケッツの鉄鋼アナリスト、フィリップ・ギブズ氏は、政策であれ関税であれ、鉄鋼について明確なインフレ期待があると述べた。
国内鉄鋼業界は、自動車やトースターなどあらゆる製品で需要が低迷する中で指標価格が35%余り下落するなど厳しい1年となってきた。
トランプ氏が鉄鋼輸入についてどのような行動に出るかは今のところ分かっていない。同氏が2018年に導入した25%の関税は現在も有効だ。だがギブズ氏によると、投資家の間ではトランプ氏が何らかの措置を講じるとの見方が強い。
原題:Steel Stocks Are Back in Vogue as Trump Victory Buoys Outlook(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Joe Deaux