CS突破へ鍵握る「トゴタク」 巨人・戸郷翔征が強気のリードに感じた大城卓三の変化
巨人は16日、日本シリーズ進出をかけてクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦に臨む。先発を任された戸郷翔征の女房役は、大城卓三が有力だ。レギュラーシーズン後半戦はバッテリーを組んだ8試合で防御率0・90を誇る鉄壁の「トゴタク」が、ファーストステージを勝ち上がったDeNAの勢いを食い止める。 ■決戦の行方左右する初戦 12年ぶりの日本一奪還へ、巨人は第一関門を突破できるか。短期決戦の行く末を大きく左右するとされるのが初戦だ。大城が「初戦を取るのと取らないのでは全然違う。先制点を与えないことが大事」といえば、戸郷も「勝つと有利に進められる。全力で勝ちに行きたい」と力を込める。 名捕手で鳴らした阿部監督の下、今季は岸田行倫、小林誠司も含めた3捕手の併用で戦った。戸郷の女房役もコロコロ変わる中、コンビが固定されたのは8月8日の広島戦(東京ドーム)だった。阿部監督の提案もあり、自身2連敗中だった戸郷が指名する形でバッテリーを組んだ一戦で完封勝ち。そこから8戦5勝と勝ち星を伸ばし、大混戦のセ・リーグを抜け出す原動力になった。 9月19日のDeNA戦(東京ドーム)が印象深い。3年連続となる12勝目を挙げた戸郷は、8回無失点と好投を導いてくれた女房役に向けてお立ち台で声を張った。「大城さんが強気でリードしてくれたんで、抑えられました!」。普段から野手陣への感謝を欠かさない右腕の言葉は、いつも以上に気持ちがこもっているようにきこえた。 「強気のリード」に何を感じたのか。エースは穏やかな表情でその一端を明かす。「特定の場面で普段投げない球種を使ったり、変化球のタイミングで真っすぐを使ったりとか。僕が『こうだろうな』って思っている以上のものを、卓三さんが引き出してくれる場面が多かった。マスクをかぶる数も減っている中で、どこかで燃えていると思うんです。先輩なんですけど、勉強されてるんだなと思う配球がたくさんあったんですよね」 ■苦しみつつ集大成の戦い