マスコミは同じ過ちを繰り返している…斎藤知事の"公選法違反疑惑"で大騒ぎするオールドメディアの無反省
■検証途中でなぜ不信任決議案を出したのか 筆者としてはパワハラもおねだりもまったく無かった、と断定するつもりはまったくない。だからと言って、それがあったとする根拠もないのも事実なのだ。現時点では、まだ確定できる段階に至っていないのである。 にもかかわらず、筆者はそうした疑惑があたかも事実であるかのような発言や論評を繰り返してしまったのだ。そしてそのことに気がついたからこそ、謝罪と訂正を行ったにすぎない。 そして最も不可解なのは、兵庫県議会は百条委員会で何の結論も導き出していない段階で、なぜ斎藤知事に対する不信任決議案を提出し、全会一致でそれを可決してしまったのか、という点だ。 元県民局長による内部告発が事実だったのか、そうでなかったのかを調査、検証するのが百条委員会の役割ではなかったのか。 その調査、検証も途中で放り出し、いきなり不信任決議案を提出するというのは、どう考えてもおかしい。その判断に誤りは果たしてなかったのか。 具体的な根拠もなく「疑惑」を騒ぎたてるオールドメディア、やるべき仕事を途中で放棄した兵庫県県議会など、本件に関連して謝罪するべきところがあると思うが、いかがだろうか。 ---------- 須田 慎一郎(すだ・しんいちろう) ジャーナリスト 1961年東京生まれ。日本大学経済学部を卒業後、金融専門紙、経済誌記者などを経てフリージャーナリストとなる。民主党、自民党、財務省、金融庁、日本銀行、メガバンク、法務検察、警察など政官財を網羅する豊富な人脈を駆使した取材活動を続けている。週刊誌、経済誌への寄稿の他、TV「サンデー!スクランブル」、「ワイド!スクランブル」、「たかじんのそこまで言って委員会」など、YouTubeチャンネル「別冊!ニューソク通信」「真相深入り! 虎ノ門ニュース」など、多方面に活躍。『ブラックマネー 「20兆円闇経済」が日本を蝕む』(新潮文庫)、『内需衰退 百貨店、総合スーパー、ファミレスが日本から消え去る日』(扶桑社)、『サラ金殲滅』(宝島社)など著書多数。 ----------
ジャーナリスト 須田 慎一郎