裏金対応「評価せず」56% 衆院選 広島県内の出口調査
自民、公明両党で過半数割れという結果となった衆院選。中国新聞社は投開票日の27日、投票を終えた広島県内の有権者を対象に出口調査をし、1800人から回答を得た。自民党の「政治とカネ」を巡る問題に対し、有権者の過半数が「評価しない」とする厳しい視線を注ぎ、無党派層の8割近くが比例代表で野党を選択した。政治改革とともに、物価高などが暮らしを圧迫する中、経済対策なども判断材料に「1票」を投じた有権者の姿が浮かんだ。 【画像】小選挙区の市区町別投票率や市区町別得票
自民巡る「政治とカネ」 投票先選択に影響色濃く
自民党派閥の裏金事件を受けて「政治とカネ」の問題が争点となる中、政治資金収支報告書に不記載のあった裏金議員への党の処分や選挙での対応をどう評価するかを尋ねた。「評価しない」が37・9%、「どちらかといえば評価しない」が18・3%で、一連の対応に納得していない有権者が計56・2%に達した。 「評価する」は7・4%、「どちらかといえば評価する」は9・9%にとどまった。選挙最終盤には、党が非公認とした候補が代表を務める党支部に、公認候補の党支部と同額の2千万円を提供していた事実が判明。野党は「国民の血税が原資」「『裏公認』だ」などと批判を強めていた。 比例代表中国ブロック(定数10)の投票行動をみると、「評価しない」と答えた人の8割強、「どちらかといえば評価しない」と答えた人の7割弱が野党などを選択。「評価する」とした人も、自民党を選んだ割合は5割にとどまった。 特に野党候補が自民党候補を破った広島4区と広島5区では、「政治とカネ」の影響が色濃く出た。県内で唯一、与野党一騎打ちとなった4区では「評価しない」が42・3%に達し、うち6割が日本維新の会比例中国前職の空本誠喜さんに1票を投じた。 広島5区も、「評価しない」と回答した人の7割が立憲民主党前職の佐藤公治さんを選択。投票先を決める上で最も重視した政策や争点について、県内全体では「経済政策」がトップだったが、両区は「『政治とカネ』の問題」の割合が最多だった。 年代別では年代が高くなるにつれ、自民党に対して厳しい見方を示す傾向だった。「評価しない」と答えた割合が最も高かったのは、70歳以上の42・6%。10代が22・9%で最も低かった。