【9月21日は認知症の日】もはや他人ごとではない《認知症の在宅介護》限界点が来る前に
介護施設入所のきっかけ「認知症」がトップ
やや古いデータとなりますが、LIFULL seniorが2023年8月に公表した「介護施設入居に関する実態調査 2023年度」によると、介護施設への入居を決めたきっかけとして回答者2000人中の46%が、「認知症」をあげています。 入所のきっかけとなった認知症の症状として「排泄の失敗をする(32.3%)」「お金の管理ができない(29.0%)」「怒りっぽくなる、暴力をふるう(18.2%)」「食事のトラブルを起こす(17.2%)」などが上位に挙がっています。 また、「被害妄想に囚われる(16.4%)」「幻視、幻聴(13.5%)」「エアコン等が利用できない、気温に合わない服装(12.7%)」「火の始末ができない(12.3%)」なども。 「排泄の失敗」つまりトイレの介助が必要となった時点で、介護に費やす時間が大幅に増えることになります。また「お金の管理ができない」というのも要注意。 本人の金融機関口座が凍結されてしまうようなことが起こると、介護費用を親の資金からまかなうことが難しくなる可能性もあります。「怒りっぽくなる、暴力をふるう」場合は、介護する家族が怪我をしてしまったり、メンタルも蝕まれていったりということが起こります。 筆者の母の場合は、「誰かがお金や通帳を盗んだ(=物盗られ妄想)」「真夏なのにセーターを着て脱ごうとしない(=見当識障害)」などの問題行動が顕著でした。 しかし、介護保険サービスも利用できるし、家族にも助けてもらえる、自分さえ頑張れば何とかなるだろうと思ってしまったのです。 数年間の介護生活が続く中で、施設に預けた方がいいのではないかと自問自答を繰り返してはいましたが、金銭面での不安や、親に対しての心情的な折り合いがつかないことから、決断できずにいました。 そんな状況でしたが、ある決定的な出来事があったせいで、とうとう在宅介護から施設介護へと決断せざるを得なくなりました。