生誕40年を迎えた驚異のご長寿モデル! デビュー当時の「ナナマルランクル」はどんなクルマだったのか?
変わらない思想と時代の変化への対応
次に登場したのが2014年の再販モデル。日本仕様の“70”では唯一ガソリンエンジンを積んだこの世代は、シートが格段に良くなった。そして現行型では、4気筒ディーゼルに戻ったものの、回り方は昔とは別次元の滑らかさ。ATが4段から6段になったことも大きい。 この間、頑丈なラダーフレームに前後リジッドのサスペンション、パートタイム式4WDという基本構成は、ボディーの骨格ともども40年間不変だ。 道なき道を踏破し、生きて帰ってくるというミッションのためには、部品の調達や修理がしやすいことが大事だ。モデルチェンジせずに生き続ける理由のひとつはここにあるだろう。商品である以前に、道具なのである。 でもここまで書いてきたように、40年間何も変わらなかったわけではなく、着実に進化もしている。パワートレインは確実に洗練の度合いを高めているし、フロントスプリングをコイル化したことも効いている。 揺るぎない思想をバックボーンに据えつつ、時代の変化に確実にアジャストしていく。多くの人が憧れる生きざまではないだろうか。もちろん信頼性や走破性も素晴らしいけれど、ランドクルーザー“70”の魅力は、そういったところにもあるような気がする。 (文=森口将之/写真=トヨタ自動車/編集=藤沢 勝)
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