生誕40年を迎えた驚異のご長寿モデル! デビュー当時の「ナナマルランクル」はどんなクルマだったのか?
最初から古くさかった
2023年、日本では2度目の再販となったトヨタのヘビーデューティーSUV「ランドクルーザー“70”」。前回の再販のときにもそれなりに話題になったが、今回はさらに注目が集まっているような気がする。 【写真】40年で内装はどう変わった? 新旧の「ランドクルーザー“70”」をもっと詳しく(10枚) デザインも走りも洗練されたSUVが増えている反動かもしれないし、同じ時期に「プラド」の生まれ変わりとしてデビューした「ランドクルーザー“250”」が、ボディーサイズやプライスをアップしてきたことも関係しているだろう。 再販のときは4リッターV型6気筒ガソリンエンジンに5段MTという、税制面でも免許面でも乗り手を選ぶ仕様だったのに対し、今回は2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボと6段ATのコンビで、敷居が下がったことも人気を後押ししていると思う。 僕は1985年、当時はRV(レクリエーショナルビークル)と呼ばれていたクロスカントリー4WDやワンボックスカーの専門誌の編集部に入ったこともあって、その1年前に発売されたランドクルーザー“70”には初期のころから触れてきた。そのときの記憶を呼び戻すと、このクルマの評価の変化に驚いている。 実は初期のランドクルーザー“70”は、デビューしたてなのに古くさかったからだ。そう思わせたのは、少し前に登場していた「三菱パジェロ」の存在が大きい。
フロントサスのコイル化は1999年
初代パジェロは、エンジンは2リッターガソリン/2.3リッターディーゼルターボともに乗用車用を使い、フロントサスペンションを独立懸架としたうえに、乗用車登録仕様もいち早く導入した。 それに比べるとランドクルーザー“70”は、サスペンションは前後ともリーフリジッドで、3.4リッター4気筒ディーゼルエンジンともども、前任車にあたる「ランドクルーザー“40”」と基本的に同じ。当時の多くの国産SUV同様、商用車登録のみだった。 ATやパワーステアリングは備えていたけれど、走らせるととにかく鈍重で、オンロードをセダン並みにこなせるパジェロとの差は歴然としていた。 とはいえトヨタも黙っていたわけではなく、フレームを軽量化して乗用車用の2.4リッターディーゼルターボエンジンを載せ、サスペンションは当時としては先進的な4輪コイルのリジッドアクスルとしたモデルを、「ランドクルーザーワゴン」として発売した。これが後のランドクルーザープラドになる。 さらに“70”自身も、1989年のマイナーチェンジで、エンジンを新設計の3.5リッター5気筒と4.2リッター6気筒に積み替え、10年後には前後ともリジッドのサスペンションのうち、フロントのスプリングをコイルに変更した。 これで乗り味は格段に洗練された。ただディーゼルのみということで、21世紀に入るとNOx・PM法の影響を受け、2004年に国内から一度姿を消した。