箱根山の神・神野がマラソン初挑戦。東京五輪のホープとなる可能性は?
一方、初マラソンからうまくいったのが大迫だ。 社会人4年目の今季、世界屈指のメジャーレースである4月のボストンで堂々の3位に食い込んでいる。ペースメーカーが不在で、気温も高かったため、タイム(2時間10分28秒)には恵まれなかったが、終盤までトップ争いをしたレースは高く評価された。 コニカミノルタの磯松大輔監督は、「神野に関わらず、マラソンを一度もやってない選手は、どうなるのか読めない部分が大きい。かなり厳しくなるのは間違いないと思います」と 初マラソンが簡単ではないことを強調する。同時に、「神野の持ち味は後半の粘り。それは練習のなかでもかなりできています。初マラソンですし、実績のある選手よりも劣ると思いますが、川内選手や大迫選手にチャレンジしていき、いろいろと学んでもらえればと思います」と神野の将来性に大きな期待をかけているようだ。 神野は大迫のようなスピードはないが、「きつくなっても粘れることが自分の持ち味」と自己分析しており、川内とタイプが似ている。川内は学習院大時代からマラソンに参戦して、初マラソンは大学4年時の別府大分(09年2月)で2時間19分26秒(20位)。社会人2年目の東京(11年2月)で2時間8分37秒(3位)をマークして、テグ世界陸上代表をつかんでいる。 今回の福岡国際は8月の北海道に続く、2020年東京五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)につながるMGCシリーズの男子2戦目。福岡国際でMGCの出場資格を得るには、「日本人3位以内で2時間11分00秒以内、同4~6位で2時間10分00秒以内」でフィニッシュすることが条件となる。昨年の優勝タイムは2時間8分48秒で、2時間11分を切ったのは2時間9分11秒の川内と 2時間10分40秒の園田隼(黒崎播磨)のふたりだけだった。外国人選手の顔ぶれを見ると、2時間6~7分台のゴールタイムも考えられるが、直近3年の優勝記録は2時間8分台で、日本人選手にちょうどいいくらいのペースになりそうだ。