箱根山の神・神野がマラソン初挑戦。東京五輪のホープとなる可能性は?
暑さが苦手な川内は「日本代表」の引退を表明しており、MGCの出場権はまったく意識していない。 「日本人トップなんていう、くだらないものを求めてもしょうがない。自己ベスト(2時間8分14秒 )や優勝を狙いたい」と意気込んでいる。だが、他の日本人選手は、「MGCの出場資格」を強く意識したレースになるだろう。 箱根駅伝でヒーローになると、その実力以上に注目を浴びることになるが、以前、取材したとき 神野はこんなことを言っていた。 「いまだに『山の神』と言われることに対して、1回も嫌だと思ったことはないですし、『山の神』ということでいろんな人に注目してもらっている。それを力に変えようと思ってやってきました。ダメなときは、『山だけだったか』と批判を受けると思うんですけど、いいときは『やっぱり神野はすごい』と倍の評価をされる。マラソンで結果を出して、『山の神』から『マラソンの神』へというような記事が出たらおもしろいですね。そうなれるように、がんばります!」 日本人ランナーの現実を考えると、神野がターゲットにしている「2時間8分台」ですんなりと走れば最高のマラソンデビューとなる。2時間10分を切れなくても、MGC出場権を獲得できれば万々歳だろう。もし2時間12~15分くらいで終わっても、悲観することはない。タイムも大切だが、自分の持ち味をどこまで発揮できるのか。今後の可能性を感じさせるような走りを期待したい。 (文責・酒井政人/スポーツライター)