首位カープを支える救援投手陣が心に刻む「減らす勇気」とは? ブルペンでの球数を減らして現れた大きな成果
肩を作るのは1試合2回まで
選手個々だけでなく、チームとしての改革も当然ある。菊地原コーチは選手のサポートを約束する。 「選手が努力をするだけじゃなく、自分たちもベンチとブルペンでしっかりと連携をとって、できるだけ肩をつくる回数を減らさなければならないと思っている」 救援投手には肩を作らせるのは1試合で2度まで。延長戦に入らない限り1試合に3度肩をつくらせることはない。“無駄づくり”に制限をかけた。また、ここまで2連投はあっても、3連投はない。ベンチ入りさせても、試合前からノースローが決まっていたケースも何度かある。 ここまでの救援防御率はリーグトップの阪神の1.87に次ぐ1.96をマークする。新井体制下での改革の成果は、直近5年の救援防御率からも見てとれる。 ◆直近5年の広島救援防御率 20年 4.64 リーグ6位 21年 3.50 リーグ4位 22年 3.31 リーグ5位 23年 3.14 リーグ3位 24年 1.96 リーグ2位 救援陣の安定は広島の躍進に大きく貢献している。4勝2敗で滑り出した交流戦明けの2カードでは、栗林が1試合、島内は2試合しか登板していない。チームが掲げた「減らす勇気」をそれぞれが持ち、2投手を除いたとしても救援陣の防御率は2.24とリーグ3位の同2.37の中日を上回る。小さな1歩だったかもしれない「減らす勇気」は、いま大きな成果を生んでいる。
(「炎の一筆入魂」前原淳 = 文)
【関連記事】
- 【首位快走の理由】「やりたい野球とやれる野球は違う」投高打低のセ・リーグで粘り強く上位を窺うカープ新井監督が選択した最善策
- 【首位を支える守護神】カープ栗林良吏が完全復活で「常にゼロを目指す」昨季の不調を乗り越えて、守護神が今季1失点の好投を続ける秘訣
- 【貴重写真】白スーツの衣笠、打席でエグい殺気の前田やノムケン、胴上げされる山本浩二、痛そうな正田、炎のストッパー津田恒美などカープ名選手のレア写真を一気に見る
- 【知られざる天才】大谷翔平のライバルだった“青森の天才”とは何者か? 2人の対決を見た関係者「大坂君の方が有名だった」「決勝で2人ともホームラン」あの怪物は今
- 【プロ野球アウトロー列伝】「投手はやめろ、打者になれ」落合博満の助言に「責任取って」…愛甲猛を覚醒させた“三冠王の徹底指導”「あの落合さんが新聞紙を丸めてトスを…」