《内臓脂肪の原因は糖質》そのメカニズムとドレッシングはあえて「ノンオイルよりもオイル入りを」と医師がすすめる理由
健康の敵である肥満。その主な原因は食生活にあるが、脂質のとり過ぎに気をつけているだけでは不十分だと、『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム)を上梓した医師の五藤良将さんは言う。脂質以外に体にあぶらがたまる原因として気をつけたい炭水化物の食べ過ぎについて、脂肪に変わるメカニズムや対策について教えてもらった。 【写真】山盛りの白米。炭水化物が脂肪になる仕組みなどを写真とともに紹介
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糖質がなぜあぶらになるのか
内臓脂肪など、体にたまるあぶらは脂質のとり過ぎだけが原因ではない。実は、炭水化物の食べ過ぎもその原因のひとつだ。五藤さんは「正確には、炭水化物に含まれる糖質」があぶらとして蓄えられると話す。 「糖質は、私たちが食べているさまざまなものに含まれています。白米やパンなどの主食もそうですし、うどん、ラーメン、パスタなどの麺類、ケーキやまんじゅうなどの甘いもの、さらには、さつまいもや、里いもなどのいも類、果物、せんべい、清涼飲料水などにも含まれています」 なぜ、脂質ではない糖質が、体の中であぶらになるのだろうか? ◆血糖値上昇と肥満の関係 それには血糖値の上昇が大きく関係している。 「食事で糖質をとると、胃や腸の消化管でブドウ糖(グルコース)に分解・吸収され、肝臓を経由して血液の中に流れ込みます。血糖値とは、血液の中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。 血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖がエネルギー源として各細胞にとり込まれます。 すぐに使われないブドウ糖は、肝臓や筋肉にグリコーゲンという物質に形を変えて蓄えられます」(五藤さん・以下同) このとき、肝臓や筋肉の許容量をオーバーしたグリコーゲンは脂肪細胞に放り込まれ、中性脂肪としてたまっていく。つまり、糖質が体内でほかの物質に変換されることで脂肪組織を増やすもととなってしまうため、多量の炭水化物を食べ、そのうえ運動不足などでエネルギー消費が追いつかないと肥満になってしまう。 「みなさんのまわりにいる、白米大好きでどんぶりご飯を食べている人やラーメンが大好きでしょっちゅう食べている人は、ちょっと肉づきがよくありませんか。 太っていませんか。それは、あぶらをたくさんとったからではなく、糖質をたくさんとっているからなのです」 ◆「血糖値スパイク」に要注意 また、「太っている人ほど注意してほしい」と五藤さんがいうのが、食後の血糖値の急上昇だ。これが、さらにあぶらをためる悪循環へつながるという。 「早食いやドカ食いをすると血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌されて、あふれているブドウ糖を一気に脂肪細胞に放り込みます。そうすると、反動で血液中のブドウ糖が一気に少なくなります。すると、すぐにおなかが空いてまたごはんを食べたくなります」 血液中のブドウ糖が一気に少なくなり、低血糖状態だと脳が判断すると、それを改善するために血糖値をあげようとして、おなかが空くという仕組みになっている。この血糖値の急上昇、急降下が「血糖値スパイク」と呼ばれるもの。 「血糖値スパイクは太るだけでなく、血管にダメージを与えることにもなります」