生成AI を巡り音楽業界で不協和音広がる。進化が加速するなか倫理的整合性はどう保たれるのか?
「倫理的AI」における同意、信頼、報酬の重要性
センダロフ氏によると、今後半年の間に、ユーザー生成コンテンツ(UGC)から、AI音楽を試すミュージシャン向けのエンタープライズグレードのAPIまで、「かなりの数」のジェン対応の新機能を追加する計画だという。たとえば、ユーザーはジェンを使って曲の一部を削除したり、まったく新しい曲を生成するために個々のステムをアップロードしたりすることができる。同氏は、ユーザー生成コンテンツから、プロ・コンシューマーやAリスト・プロデューサーのためのツールまで、ジェンがあらゆるものを支援することを期待している。 「結局のところ、この業界は、創造性を低下させるのではなく、向上させる機会があることを理解している」とセンデロフ氏は言う。「我々は絶対的な共同プロデューサーを作っているのだと信じている」。 倫理的なAIにとって、同意、信用、報酬はきわめて重要だ、と語るのは、サウンドエクスチェンジ(SoundExchange)のCEOであるマイク・ハッペ氏だ。同氏は、テック大手はAIが生成したコンテンツから得られる収益を、使用量、アーティストの知名度、影響力に応じて配分するよう、素材提供者と交渉できるかもしれないことを示唆している。ハッペ氏は、これは仮説的な解決策であり、公式な姿勢ではないこと、また、AIのデータセットとアウトプットの双方について個別に検討する必要があることを強調した。 「あらゆる種類のものに関して、インターネット上には、存在するものと存在しない、非常に複雑な価格設定と支払いモデルが存在する」とハッペ氏は述べた。「バックエンドで(AIを)運用可能にし、あらゆるタイプのクリエイターが、生み出される富に公平に参加できるようにするにはどうすればよいのか、それは実行可能なのだ」。 「インターネット上には、非常に複雑な価格設定や支払いモデルが存在する。「どのようにバックエンドで(AIを)運用し、どのようにあらゆるタイプのクリエイターが公平に創造される富に参加できるようにするのか? [原文:AI Briefing: The music industry raises the decibel for the fight over generative AI] Marty Swant(翻訳:Maya Kishida、編集:都築成果)
編集部