3.28 セ・パ12球団の開幕投手が出揃った?
■阪神の開幕投手は能見が濃厚 阪神の能見も対横浜DeNA戦で、5回を1安打5三振と、ほぼパーフェクトな仕上がり。145キロが出ていたストレートの威力とコントロール、ウイニングショットであるフォークのキレも抜群だった。「厳しいところを突いて行こうと考えていたが、それはできていた。上がってきているが、開幕が絶好調で、その後下がっていくのでは意味がない」と、開幕を意識した発言。 和田監督は、明言を避けたが、スタンリッジと久保が抜けた阪神は、その穴を埋めきれておらず、まだローテーのまだ5人目、6人目が決めきれていない。そうなると、エース(開幕投手)は、中5日指令が出る可能性も高く、2年目の藤浪を軸に据える余裕はない。ローテーション全体を考えると開幕カードの対巨人戦への相性もいい能見なのだろう。 ■横浜DeNAは三嶋が権利を奪還 開幕投手候補の中でも背水の陣だったのが、2試合連続で炎上していて、初の開幕投手の権利を失いかけていた横浜DeNAの三嶋だ。「自分らしさを取り戻したたかった」と、ルーキーイヤーの昨季に6勝を挙げた映像と、これまでのオープン戦で炎上した映像を見比べてきた。「フォームも開いていたし、腕がふれていなかった」。課題である制球力アップに神経を使う余り、本来の荒々しい腕の振りから生まれるストレートを見失っていたことに気がついた。この日のマックスは147キロ。腕が振れているので変化球も効く。阪神打線が、芯で捕らえきれず内野ゴロに終わるケースが目立った。5回を投げ3安打1失点で再び開幕の座を引き戻した。 中畑監督は、報道陣から三嶋の開幕投手について質問されると、「(三嶋が開幕だと)匂いますか? いいんじゃないですか。ぼちぼちね。ストレートに躍動感は出てきたし、らしさがあった」と、思わずポロ。三嶋自身は「(開幕にふさわしい)結果が残せていない。まだ力が足りない。今日も60点。次の登板で、もっと自分の良さを見せることを考えている。開幕は、それからついてくるもの」と、安心どころか、気持ちを引き締めていた 正体のつかみにくかった4球団の方向性が見えてきたことで、12球団の開幕投手がほぼ出揃った。ここから2週間は、開幕1軍メンバーを決める最後のサバイバルと、いかにコンディションを高めるかという段階に入っていく。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)