S級取得まで最短で2年…選手会会長の吉田麻也がコーチライセンス制度の課題を指摘。「もっと早くなれるようにしたい」 | 内田篤人のFOOTBALL TIME
【国内サッカー・ニュース】DAZNで配信している『内田篤人のFOOTBALL TIME #162』では、MCの内田篤人氏とロサンゼルス・ギャラクシーに所属する元日本代表DF吉田麻也をゲストに迎え、指導者ライセンス問題についての構想を語った。 ●【動画】吉田麻也と語るこれからのJリーグやブンデス注目チーム|内田篤人のFOOTBALL TIME #162
日本プロサッカー選手会会長を務める吉田は、「これはまだアイデア段階なんだけど」と前置きした上で、現行のコーチライセンス制度の課題について言及した。 今季限りで現役を引退した北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二を例に出し、「伸二さんくらいのキャリアのある人はすぐに監督をやった方が絶対にプラスになる。でもライセンスというのはどうしても時間がかかるので、現役のうちに取っておいた方がいい。ただC級から現役中に取っていくのは大変」と現行のライセンス制度の問題点を指摘した。 その上で吉田は、「だからリーグのアカデミーのカリキュラムの中に高校1年生から3年生までにC級もしくはB級までを取れるカリキュラムを作って、現役の時はA級をオフの時にちょっとずつ取って、引退したらS級を取って、2年後には監督ができる。今はサッカー選手の寿命がどんどん伸びていて、それに伴ってコーチのキャリアスタートが遅くなっているのをここで短縮しよう」という構想を明かした。 育成年代のうちにライセンスを取得できるメリットとして、「アカデミーにいる間にB級まではいかなくてもC級までを必ず取るようにすれば、仮にプロになれなくても一定のレベルの指導能力を持った人たちが街のクラブに行ける。俺らの時は、サッカー好きのおっさんがボランティアで教えてくれるみたいな感じだったけど、そのクオリティーが一定の基準まで上がると思う」と語った。 これまで日本だけに留まらず、オランダやイングランド、イタリア、ドイツといった欧州のいわゆるサッカー先進国でプレーし、様々なサッカー文化に触れてきた自身の経験に基づいて、「俺は『良い指導者の下で良い選手が生まれる』と思っているので、そうすることで日本全体のレベルも上がると思う」という思いを明かし、「もちろん高体連でもできたらいいんですが、まずはJリーグのアカデミーからやろうというのがあれば面白いかなと思っている」と語っている。 ただ「(ライセンス講習の)インストラクターの数も必要になってくる。そういった問題はあるんですけどね」と実現に向けた課題についても語っている。 20シーズンで現役引退後に指導者ライセンスを取得し始めたという内田氏は、「(引退してから)ちょうど2年で、もうすぐS級が終わる。それを1年間ギュッとしたいし、現役のうちからやっておくのは大事だと思う」と話し、「もしその制度なら俺は(引退から)1年でS級を取れるはず。そしたら今、監督をやっていると思う」とコメントした。 ただJFAのロールモデルコーチを務める内田氏の場合は、あくまで「(日本サッカー)協会がかなり好意にしているのでこれで最短。普通はもっとかかる」と吉田は言及し、「最短で2年なので。これをもっと早くなれるようにしたい」と構想を語っている。