目にレンズを移植する「ICL」は危険!? 失敗しないためのポイント・注意点を医師が解説!
ICLの手術のリスクはある?
編集部: ICLの手術のリスクはありますか? 野口先生: 術前の検査結果をもとに、その人に適したレンズを選定しますが、眼内に入れたレンズの大きさや度数が、合わないということが稀にあります。レンズの大きさが合わない状態が長期続くと角膜のダメージが発生するリスクがあるため、再手術になることもあります。 編集部: そのほかには? 野口先生: こちらも稀ですが、レンズに対するアレルギーや、術後の炎症や感染症のリスクがあります。また、夜間に光の輪が見える「ハロー・グレア」という症状が出現することもあります。徐々に症状は和らぎますが、気になるのであれば医師に確認しましょう。 編集部: ICLは一生入れたままでもいいのでしょうか? 野口先生: コンタクトレンズと違って、一生入れたままでも大丈夫で、レンズが汚れたり曇ったりすることもありません。レンズの耐久性は確認されており、数十年以上にわたり、耐久性や生体適合性が安定していることが認められています。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 野口先生: ICLは非常に安全で広くおこなわれている手術ではありますが、まだ医療分野では新しい技術です。そのため、医師の知識や手技の能力に依存する部分も多々あります。できれば眼内レンズを専門とするドクターを受診してください。その際には、「積極的に論文や研究を発表しているか」「手術数が多いか」などを参考にしてください。眼内レンズは複雑で専門性の高い知識を要するので、医師が眼内レンズについてどの程度の理解があるのかを知ることは重要です。また、ICLの手術は白内障手術の手術手技の一部です。ICLを受けた人は、いつか白内障手術も受けることになります。そこまで見越した治療を受ける必要があるため、眼内レンズ・白内障手術のプロ、研究者の眼科医を頼ると質の高い視力を術後に得ることができるのではないかと思います。