目にレンズを移植する「ICL」は危険!? 失敗しないためのポイント・注意点を医師が解説!
ICLの手術の流れと注意点
編集部: ICLの手術は、どのようにおこなわれるのですか? 野口先生: まずは治療が適応となるのか、角膜形状解析や角膜内皮細胞検査など、各種検査をおこないます。安全に治療がおこなえることを確認したら、レンズを選定します。レンズには様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあるので、患者さんの目に最適なレンズを提案します。 編集部: その後は? 野口先生: 検査をしてからレンズを発注し、1週間程度でレンズが届くので、その日を目処に手術の日を決定します。手術の3日前から殺菌と術後感染症予防のために点眼を開始します。手術は点眼麻酔と眼内麻酔でおこなわれ、手術時間は片目3分半ほどです。 編集部: 手術中や手術後に、痛みは出るのでしょうか? 野口先生: ICLのレンズは折り畳んだ状態で目の中に入れるので、非常に小さな切開創で手術ができます。そのため、痛みをほとんど感じないという患者さんがほとんどです。もし痛みを感じたら、手術中に麻酔を追加することもできます。 編集部: 痛みがないのはいいですね。 野口先生: 手術前に目の消毒をおこなうのですが、ときどき、その際にしみるという患者さんがいます。また、術後は目の表面がしみることがありますが、1時間程度でなくなります。 編集部: 手術後はどれくらいで視力が安定しますか? 野口先生: 手術直後から視力の改善を実感できると思います。ただし、手術当日はぼんやりした見え方がするかもしれません。少しずつ視力が安定して、手術当日の夕方や夜には視力が回復します。術当日は目を休めるようにしましょう。翌朝にはバッチリ回復していると思います。 編集部: 手術当日の注意点はありますか? 野口先生: 手術中に毛や繊維が飛び散ることがあるので、毛羽立った衣類や小物は身につけないで来院してください。また、当日は車やバイクの運転ができません。必ず公共交通機関を利用して来院するようにしましょう。 編集部: ほかにもありますか? 野口先生: 手術翌日から洗顔やシャワー、入浴、事務系の仕事が可能となります。2~3日目から軽い運動が可能になり、1週間後から旅行や運転ができるようになります。ただし、個人差があるので、詳しくは主治医にご相談ください。 編集部: そのほか、手術後に注意することはありますか? 野口先生: 手術後、目をこする動作はあまり好ましくありません。特に術後1週間はこすらないようにしましょう。加えて、手術当日から点眼をおこないます。医療機関によって異なりますが、当院の処方では手術当日は1時間おきの点眼が必要です。必ず医師の指示に従ってください。