目にレンズを移植する「ICL」は危険!? 失敗しないためのポイント・注意点を医師が解説!
眼内コンタクトレンズとも呼ばれ、近視や遠視、乱視を矯正する治療として普及している「ICL」。コンタクトレンズのように着脱が不要なことに加え、レーシックのように角膜を削る必要もないといったメリットがあります。しかし、手術にはリスクがないのでしょうか。手術当日の注意点と合わせて、「ASUCAアイクリニック」の野口先生に解説していただきました。 【イラスト解説】「老眼」を疑う初期症状5選 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
ICL(眼内コンタクトレンズ)とは?
編集部: まず、ICLについて教えてください。 野口先生: ICLは、目の中に有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)という小さなレンズを移植して、近視や乱視を矯正する治療です。 編集部: どのような人が対象になりますか? 野口先生: 近視や遠視、乱視を矯正することができ、レーシックと比べて適応条件が非常に広いという特徴があります。適応年齢については、ガイドラインで「目の発達が落ち着く21歳以上でおこなう」ということが定められています。 編集部: レーシックの場合、強度の近視の人は受けられないと聞きました。 野口先生: ガイドラインでは「-6.00D以上の強度近視はレーシック“慎重適応”、-10.00Dを超える場合はレーシック“禁忌”」とされています。強度の近視の場合、角膜を削る量が増えるからです。その一方、ICLは角膜を削る必要がないため、強度の近視でも適応となります。 編集部: レーシックが適応外でも、ICLでは治療可能になるのですね。 野口先生: はい。そのほか、一般にレーシックは適応外とされる角膜が薄い人や非進行性の円錐角膜の人も、ICLの治療を受けることは可能です。レーシックと比べて適応範囲が広いだけでなく、「光学的特性に優れており、視機能の回復が期待できる」「レンズを摘出したり交換したりすることで度数の変化に対応することができるほか、元の状態に戻すこともできる」といったメリットもあります。 編集部: 「レーシックはできない」と言われた人でも、ICLができるのは嬉しいですね。 野口先生: ほかにも、授乳中や妊活中の人などはレーシックが難しいとされていますが、ICLは受けることができます。また、ドライアイの人も同様に、ICLであれば受けることができます。 編集部: ICLに年齢制限はありますか? 野口先生: 明確な上限は定められていませんが、実際には50歳までにおこなうのがベストと言われています。50歳頃から、老眼や白内障などの目の病気やほかの症状が出現するからです。したがって、ICLの効果を最大限実感したければ、それ以前に手術をするようにしましょう。