東海大相模らしさを取り戻すために…セカンドチームがチャレンジする守備への意識改革
8月17、18日の2日間で行われた2024横浜サッカーフェスティバルに出場し、1勝1敗1引分けの成績で戦いを終えた東海大相模セカンドチーム。 【フォトギャラリー】東海大相模 vs 帝京長岡 前期のリーグ戦では持ち味の攻撃力が振るわず、守備の綻びから2点取っても4点取られるような苦戦が続いた。「今の相模の全カテゴリー共通の課題」と鈴木達也コーチが言う状況の中であったが、トップチームは県大会を勝ち抜きインターハイに出場を果たす。2回戦で遠野に2-0で勝利を収めるも3回戦では帝京長岡に0-4で敗戦。現地で全国の強豪校の戦いぶりをピッチの外から見た鈴木コーチとセカンドチームの選手たちは、この夏、新たに守備への取り組みに挑んでいる。 「8月はセカンドチームは守備の練習しかしていなくて…(前期は)本当に点が取れなくて…そこの課題は相模としてはどのカテゴリーとも一緒で(笑)トップチームでも県内のリーグ戦だとボールを持てて押し込める試合が多いのですが、インターハイを見ると守備のところはかなり課題に感じたので、(セカンドチームはもう一度)守備のところを整理してやろうと。選手たちには『上が調子悪いなら君たちが変わってもいいんじゃない?でもそれが叶わないのは理由があるんじゃないか』って発破をかけました。」 東海大相模と言えば素早いビルドアップからスピード豊かに相手陣内に侵入、ゴール前ではドリブルやパスを駆使して華麗に得点を奪う攻撃的なスタイルが特徴。毎年、そのスタイルに憧れて足の速さとテクニックに覚えがある有望な選手たちが門を叩いてくる。 「例年のウチっぽくはないですよね(笑) 部員の人数とスペースの問題もあるので基本的に練習は攻撃に特化してはやってはいますが、将来的に見た時にどこに行っても守備は必要になってきますから。それに最低限必要なところはやらなきゃいけないというのは、インターハイでトップチームが技術に自信のあるところとやって、かなり整備されたプレスが来てやられているのを彼らも見ていますので…」 かくして始まった守備練習の日々。前期の試合では「4試合5試合は接触を嫌がってというのが見受けられました」という状況だったのが、今回の大会では「(身体を)ぶつけたりとか滑って守ったり泥臭く行くところは若干ですが、身についてきたかなという手応えを感じています」と鈴木コーチも成長を感じている。 実際に3試合を戦っての手応えを何人かの選手たちには話を聞いてみると、「自分はあまり守備に目を向けていませんでした。意識的に変わって、戦うシーンは増えていると思います。まだまだ足りないですが意識を継続してもっと強くしていきたいです。守備でボールを持てなかったら攻撃には繋げないので…自分たちのサッカーは、ボールを持ってやらなきゃいけないので、守備から始めてチームの持ち味の攻撃力を活かして最後は自分が点を取っていけるようにしていきたいです」(FW20片岡宏介) 「この夏の守備練習は意識してやっていて成果は出ていると思います。ボールに強くいく部分は伸びたかなと思いますが、ボールを刈り取るという部分はもっと伸ばしていかないといけないと思います。技術はトップには圧倒的に足りていないので、自分が何の武器を持っているのか、何を特徴とするのか、どこが見てもらえるのかを考えて、しっかり考えてそこを伸ばしていかないといけないし、そこをしっかり伸ばせればトップチームでも活躍していけると思っています」(MF6野村虎秀) 「守備の練習をしてきて今日も1点取られましたが、あとは抑えられたのは良かったと思います。ただ止めることはできていましたが、キャッチができていなかったので自分的には満足していません。守備ができないと攻撃が成り立たないと思いますし、この大会で守備を重点的にやってきたのを少しでも試合を活かせたのは良かったと思います。鈴木コーチがずっと先のことを見て指導してくれて自分にとってはありがたいと思っていますので、今年中にはトップに上がって自分の力をそこで披露したいと思います」(GK1五十嵐数馬) 守備により目を向けた練習の日々に少しずつ手応えを感じている。そんな選手たちに対して鈴木コーチも「今年トップにいる選手たちは、技術的に非常にレベルの高い子たちが多いと思います。(昇格していくのは)かなり厳しいとは思うのですが、彼らもインターハイを応援にも行って、そういうところを見れたのでぜひ目指して欲しいなと思っています。ただ同じことしてもダメだよとは言っていますので、トップにないところを見つけ出して1人なり2人なり選手権に出てくれるといいなと思っています」と期待を込める。 今月末に再開するリーグ戦。最後に再開に向けての意気込みを鈴木コーチに尋ねると「後期に向けては正直全然自信はないです(笑)。難しいリーグですし…今年は成功体験が結果として出ないので、守備を継続してやっていくことで走力も勝手に増えていって身体的にもタフにはなってくると思うので、それが後期色々な学校とやった時に差として出れば嬉しいなと思いつつ、もう少し攻撃のところは東海大相模という以上、点を取らないと…(笑)。さらに上を目指して欲しいです」と、隣のアップスペースで楽しそうにボールを蹴り合う選手たちを暖かな眼差しで見つめながら笑顔を見せた。 先ずは9月1日、日大高との一戦から東海大相模セカンドチームの新たな挑戦が始まる。 (文・写真=西山和広)