浦和「遅すぎた」監督交代と酒井宏樹ら中核「シーズン半ば離脱」の意味、スコルジャ復帰も【「優勝、降格は?」2024Jリーグ終盤戦の大激論】(4)
いよいよ秋の声が聞こえはじめると、Jリーグも終盤戦へ。頂点を目指す優勝争いや生き残りをかけた残留バトルは、さらに激しさを増していく。各チームのこれまでの戦いを振り返るとともに、2024シーズン終了までの見逃せないポイントを、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が語り尽くす! ■【映像】「ヘグモもスコルジャもいない」首位チームとの一戦で底力【町田vs浦和】の激闘
■未消化試合1つ半の浦和「後半が心配」
――優勝を争うグループは見えましたが、それよりも下はかなりの混戦です。12位の浦和レッズは、まだ消化試合が2つ少ないから、その2試合に勝っていたとすると、計算上は6位です。 後藤「その2試合に勝てるのかなあ」 大住「浦和の未消化試合は、1つ半だよ。雷雨で中止になった川崎フロンターレとの第28節は、浦和が1点リードの状態で、後半キックオフから再開されるんだから。後半45分間守ればいいんだけどね」 後藤「あの試合も、浦和は1点取るまでは素晴らしいサッカーをしていたけど、リードしたと思ったらへなちょこになっちゃった。残りの45分間、へなちょこが続くんじゃないかと心配」 大住「ペア・マティアス・ヘグモ監督からマチェイ・スコルジャ監督に代わったことだし、どうかな。一番気になるのは、その45分間を見るために11月下旬の寒い金曜日の夜に埼スタまで行くか、ということだね」
■町田とは違って「無駄遣いが多い」浦和
――監督交代は意外なタイミングでした。 大住「遅すぎだよ」 後藤「スコルジャがずっとやっていてくれれば、何の問題もなかったんだけどね」 大住「続けていたら、昨オフのような補強はしなかったかもしれないけどね。補強が活きたかどうかは別として」 後藤「FC町田ゼルビアとは正反対で、浦和は無駄遣いが多い。何人補強して、何人手放したことか。昔から、補強をしては手放すことを繰り返してきたチームだけど」 大住「問題は補強ではなく、シーズンの半ばでチームの中核の選手が4、5人もチームを離れていっちゃうということだよね(6月に岩尾憲、7月にオラ・ソルバッケン、アレクサンダー・ショルツ、酒井宏樹が移籍)。出番のない選手が出ていったり、若い選手(8月に伊藤敦樹)がヨーロッパに引っ張られるのはしょうがないと思うけど、ベテランが離れていくというのは何か問題があったんじゃないかな。そういう現象だけでも、ヘグモ監督の下ではうまくいっていなかったんじゃないかと想像できる」 ――監督選びに問題があったのでしょうか。 大住「監督というのは、実際に来てみないと分からないことはある。とはいえ、これはダメだという見切りがすごく遅かったよね。2年契約だったらしいから、また違約金の支払いでお金を無駄にするという思いがあったのかな。でも、少なくとも夏の中断期間の前に代えるべきだったと思うけどね」 後藤「選手の出入りが激しすぎるし、新監督を連れてくるのはいいけど、前任とまったく違う路線の人を連れてきたとかさ。そういうことがずっと続いていたじゃない。一貫性を保って、こういうクラブにするんだという考えに沿って人を連れてこないといけないわけでしょ。だから、クラブの体質の問題だろうね」 大住「まあ、そうだろうね。チームを強くするための補強のルートが、すごく弱い感じがするよね。自分たちでヨーロッパのサッカーを見て評価をするんじゃなくて、どこかを通じて評判だけで連れてくるみたいな感じがする。実際のところは分からないけど、ずっと成功していないことは確か。リカルド・ロドリゲスやスコルジャは良かったと思うけど、長続きさせられなかった」
【関連記事】
- ■続きはコチラ 「劣化した」2チーム、「遅かった」札幌、「J1復帰」は鉄板2チームと「新スタジアム」の長崎【「優勝、降格は?」2024Jリーグ終盤戦の大激論】(5)
- ■【映像】「ヘグモもスコルジャもいない」首位チームとの一戦で底力【町田vs浦和】の激闘
- ■1本目はコチラ 町田「予想外の奮闘」と相馬勇紀ら代表クラスの「夏場の補強」は優勝の足かせに【「優勝、降格は」2024Jリーグ終盤戦の大激論】(1)
- ■2本目はコチラ 首位の広島と3位の神戸の「大問題」、大橋祐紀の穴を埋めた「スキッベ人脈」【「優勝、降格は」2024Jリーグ終盤戦の大激論】(2)
- ■3本目はコチラ 優勝は「5位」まで、「久保建英級エース」頼みのG大阪、柴崎岳「らしいプレー」も鹿島の問題、神戸「連覇」は【「優勝、降格は」2024Jリーグ終盤戦の大激論】(3)