J1全20クラブ補強評価ランキング11位~20位。補強に苦戦? 不安要素が残るクラブは…
12位:ジュビロ磐田 昨季は大混戦の2位争いを制してJ1自動昇格を決めたジュビロ磐田だが、今季は大きくメンバーが入れ替わることになる。J2最多アシストの鈴木雄斗が湘南ベルマーレに、チーム最多タイの9得点をマークしたドゥドゥがジェフユナイテッド千葉に、後藤啓介はベルギーのアンデルレヒトに活躍の場を移している。遠藤保仁の現役引退が与える影響もあるだろう。 昨季の正GK三浦龍輝は残留したが、GK陣は刷新されることとなった。最終ラインは主力が残留した一方で、高畑奎汰と西久保駿介という若いサイドバックが加わった。中盤にはJ1での経験も十分な中村駿とJ2トップクラスの司令塔に成長した平川怜が加入。サイドバックと中盤をポリバレントにこなす川﨑一輝も、与えられる役割次第では大化けする可能性を秘めている。 チームの浮沈を決めるのは、新加入のブラジル人カルテットになるかもしれない。190cm94kgという巨体を活かしたプレーを得意とするマテウス・ペイショットは得点源として、サイドからのチャンスメイクに長けるブルーノ・ジョゼはアシスト王が抜けた右サイドからの攻撃力アップを期待される。ウェベルトンは21歳と若いが、ブラジルの名門フラメンゴの下部組織に在籍した経験を持つアタッカーで、一気にブレイクするかもしれない。彼らを後方から支えることになるレオ・ゴメスは守備力にも長けるファイターだ。 日本で初めてプレーするブラジル人が4人、そしてJ1でのプレー経験がほとんどない若手も多く加入しており、予想は難しい。J1残留というミッションは決して簡単ではないが、それを達成するに足るスカッドは整ったのではないだろうか。
11位:京都サンガ 順位を前年の16位から13位に上げ、2季連続でJ1残留を勝ち取った京都サンガF.C.は、就任4年目の曺貴裁監督の下で2023シーズンに臨む。各ポジションで選手の入れ替わりがあるが、指揮官が目指すソリッドなスタイルを実現できそうな面々が加わっている。 J1で戦ったこの2シーズンで最終ラインを支えた井上黎生人が浦和レッズに移籍し、経験豊富な鈴木義宜と水戸ホーリーホックで活躍した松田佳大を獲得している。宮本優太は右サイド、鈴木冬一は左サイドでプレー可能で、前者は流通経済大学時代に、後者は湘南ベルマーレ時代に曺監督の指導を受けた経歴があり、鈴木にとっては松田天馬ら元チームメイトが多くいることがフィットの助けになるだろう。中盤で推進力を見せながらゴールに絡むことのできる塚川孝輝も、京都のスタイルにすぐにフィットしそうだ。 昨夏に期限付き移籍で加入したGKク・ソンユンは完全移籍で今季からプレーすることになった。昨季チームトップの10得点を挙げたパトリックは名古屋グランパスに移籍したが、マルコ・トゥーリオを獲得している。オーストラリアから来たブラジル人FWはチャンスメイクも得意な万能型FWだが、Jリーグ初挑戦ということもありその実力は未知数だ。過去2年はピーター・ウタカやパトリックといった得点力のあるFWに助けられた部分もあり、トゥーリオの活躍はチームのせいせきを左右することになりそうだ。 スタイルにフィットしそうな新戦力を加えたが、ふたを開けてみないと分からない部分も多い。新加入選手がこの評価以上のパフォーマンスを見せることができれば、チームは昨季以上の位置に浮上できるかもしれない。
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