J1全20クラブ補強評価ランキング11位~20位。補強に苦戦? 不安要素が残るクラブは…
16位:アルビレックス新潟 J2優勝メンバーを中心に据えて臨んだ昨季は、夏に大黒柱の伊藤涼太郎を失ったが、10位という成績でJ1残留というミッションをクリアした。攻撃的なスタイルを貫きながらも、4戦連続無失点を記録した昨季終盤の戦いは今季につながるだろう。ただ、今オフは複数の主力が他クラブへ移籍しており、一筋縄ではいかないシーズンになりそうだ。 センターバックと左サイドバックをこなせる渡邊泰基が抜け、空中戦に強い遠藤凌がいわきFCへの期限付き移籍から復帰した。高宇洋が抜けた中盤にはいわきFCの宮本英治を、三戸瞬介が抜けた2列目にはヴァンフォーレ甲府の長谷川元希と、それぞれJ2で結果を残した選手を獲得している。さらに、松橋力蔵監督が横浜F・マリノスのアカデミー時代で指導した小野裕二の加入は必ずプラスになる。 高、三戸、渡邊のように活躍した選手が他クラブへ移籍する中で、J2で活躍した20代前半から中盤の選手やアカデミーからの昇格も含めた新卒組を抜擢するというサイクルは今後も変わらないだろう。ただ、遠藤や宮本がすぐにチームにフィットできるかは未知数で、相対的な評価としては控えめなものになった。
15位:湘南ベルマーレ 昨季の湘南ベルマーレは4か月白星から遠ざかるという苦しい時期も経験したが、終盤戦にかけて調子を上げて残留を決めた。2021年9月から指揮を執る山口智監督の下で目指すコンセプトは不変だが、上積みがなければ今季も苦戦する時期があるかもしれない。 昨夏に続いてエースがチームを離れた。昨夏にドイツへ移籍した町野修斗に代わる得点源として、昨季のリーグ戦で13得点をマークした大橋祐紀がサンフレッチェ広島に移籍。栃木SCへ期限付き移籍していた根本凌が復帰するとともに、ジュビロ磐田、アビスパ福岡で活躍したルキアンが加入している。ルキアンはJ2で22得点を挙げた2021シーズンの印象が強いが、J1最多得点は昨季の5得点。根本は昨年8月に負った左膝前十字靭帯断裂の怪我からの復帰を目指している段階で、両選手の加入により穴が埋まったと言い切ることはできない。 タリクと大橋を除けば、中盤から前の陣容は昨季とほとんど変わらず。最終ラインも昨夏に期限付き移籍で加入していたキム・ミンテが完全移籍で加わることになり、昨季デビューした関西大学出身の高橋直也も正式に加入する。石原広教が抜けたサイドには昨季のJ2アシスト王でもある鈴木雄斗が加わった。山本修斗、永木亮太といったベテランや齊藤未月や石原といったユース出身者の退団がもたらす影響は計り知れないが、戦力の単純計算として大きなマイナスはエースの退団のみに抑えられたと言えるだろう。