J1全20クラブ補強評価ランキング11位~20位。補強に苦戦? 不安要素が残るクラブは…
18位:アビスパ福岡 J1昇格から3年目の昨季はクラブ最高順位となる7位でシーズンを終えるとともに、JリーグYBCルヴァンカップのタイトルを手にした。今季は他クラブからのマークも激しくなるとともに、高い評価を受けた選手たちが軒並み移籍しており、場合によっては厳しい戦いを強いられる可能性も否定できない。 やはりエースが抜けた穴は大きい。2シーズン続けてリーグ戦全試合に出場し、ともに10得点を挙げた山岸祐也が名古屋グランパスに移籍。ルキアンも湘南ベルマーレへ移籍している。代役として獲得したナッシム・ベン・カリファは前線で起点となるFWだが、2シーズンで7得点に留まり、決定力という点では前任者に劣る。サガン鳥栖から加入した岩崎悠人、東京ヴェルディへの期限付き移籍から復帰した北島祐二は2列目を主戦場としている。紺野和也や金森健志といった既存戦力とどう融合し、ゴールに結びつけていくかが課題となりそうだ。 井手口陽介が抜けた中盤には松岡大起が加わった。ブラジルではなかなか試合に絡むことができなかったが、インテリジェンスの高さと豊富な運動量は前任者に勝るとも劣らないポテンシャルを持つため、大きなマイナスにはならないかもしれない。ただ、全体的に見ると、主力の抜けた穴を補強でカバーできたとは言い難い。昨季のような結果を残すには、既存戦力の底上げが必須となることは言うまでもない。
17位:柏レイソル 昨季途中に監督交代があった柏レイソルは、最終節でなんとか残留を決めた。今季は33人という大所帯で1桁順位を目指すことになる。昨季に比べると、今オフはそこまで大きな変化はないが、中盤は少し顔ぶれが変わることになりそうだ。 椎橋慧也、仙頭啓矢、山田康太の3人がそれぞれJ1クラブへ移籍した。彼らの穴を埋める活躍が期待されるのが、J2からやってきた3人。レイソルアカデミー出身の白井永地は中盤を主戦場とし、昨季J2で40試合に出場した。右サイドでのプレーを得意とする鵜木郁哉もアカデミー出身で、J2水戸ホーリーホックへの期限付き移籍により一回り成長して帰ってきた。島村拓弥も右サイドでプレーできるアタッカーで、昨季はロアッソ熊本で7アシストを記録した期待の若手だ。 昨夏に期限付き移籍で加入して残留のキーマンとなった犬飼智也が完全移籍に切り替わる形でチームに残留したことは大きい。モンテディオ山形から加入した野田裕喜も、白井らと同様にシーズン通してレギュラーとして活躍した実績を引っ提げてJ1に挑戦する。 新加入選手の多くがJ1での実績に乏しいが、J2での活躍を経ての個人昇格という点では、昨季活躍した山田康太と共通点を見出せる。ただ、全体的に見れば戦力アップと評価することは難しい。