「PDCAのPが長過ぎ問題」トップダウンの会社で頻発するメカニズムを解説!「リスクを最小限に抑えたい心理」が失敗を呼んでいませんか?
本来であれば迅速かつシンプルな戦略が望ましいのですが、過度な慎重さ故に、複雑で重たい戦略がつくり上げられることになります。 この結果、計画段階で想定していたリスクが避けられないばかりか、新たなリスクが生じることもあります。 ■「Pが長過ぎ問題」の影響とその結果 続いて、そのリスクや悪影響について解説しましょう。 スピード感の喪失による対応力や競争力の低下 計画段階で過度に長期化すると、実行段階に移行した時点で市場環境や消費者のニーズが既に変わっている可能性があります。
トップダウン戦略は、もともと大規模であるため柔軟に対応することが難しいのですが、計画段階が長引くことでさらにその対応力が低下します。市場の変化に迅速に対応できず、結果として競争力を失うリスクが高まります。 リソースの浪費 長期化した計画段階では多くのリソースが費やされます。これには時間、労力、そしてコストが含まれます。本来であれば、これらのリソースは実行段階や評価・改善段階に活用されるべきものですが、過度に慎重な計画作成でリソースが無駄遣いされることになります。
さらに、複雑化した計画を実行に移す際にも、無駄なプロセスや冗長な管理体制が必要となり、コストが膨れ上がる可能性があります。 成功しない戦略の生成 最も深刻な問題は、これだけのリソースを投入し、時間をかけたにもかかわらず、最終的に成功しない戦略が出来上がってしまうことです。計画段階での仮説が複雑化し過ぎた結果、実行段階での効果が薄れ、成果が出ないことがあります。 さらに、過度に複雑な戦略は現場での実行や運用が難しく、計画通りに進まないことも多々あります。
「Pが長過ぎ問題」は以上のように非常に多くの、そして根深い影響を及ぼします。 さらに、トップダウン戦略のもう一つの大きな課題は、その硬直性です。大規模であり、多くのリソースが投入されるため、一度計画が始動すると軌道修正が難しくなります。市場の反応を見て、リアルタイムで戦略を変更することが求められる今のビジネス環境において、こうしたアプローチは大きなリスクを伴います。 消費者のニーズや市場の動向が変わる中で、初期の仮説に基づく戦略をそのまま推し進めることは、むしろ逆効果となることも少なくありません。